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カテゴリ:松下幸之助
1960年、 日本で話題になっていた米国の未来学者、ハーマン・カーン氏が来日することになった。 ”21世紀は日本の時代になる。”と主張したアメリカの学者さん。 ハーマン・カーンは来日するにあたり、 松下幸之助と対談する予定が組まれていた。 幸之助は、部下に訪ねた。 ”きみ、ハーマン・カーンという人が今度くるんやけどな、どういう人物か知っとるか?” 部下は答える。 ”その人は、アメリカのハドソン研究所の所長さんで、未来学者で、 21世紀は日本の時代になると言っている人ですね。” 幸之助 ”ああ、そうか” 次の日 また幸之助が同じ質問をした。 部下は、また同じように答えた。 すると、 また次の日も幸之助は。。。 ”きみ、ハーマン・カーンという人が来るんやけどな。。。” 部下も、さすがに、イラッときた。 ”ですから。。。未来学者で。。。21世紀は日本の時代だと言っている人です!” 幸之助 ”そうか” 幸之助は小さくつぶやいた。。。 そのあと、部下は、ふと考え込んだ。。。 なぜ、社長は、何度も、何度も、わたしに同じことを聞くんだろう。。。 まてよ、 もしかしたら私の答えが不十分だからではないか。 そうだ。 そうに違いない。 部下は、ハーマン・カーンの書いた分厚い本を書店で買って、 その日、深夜3時までかかって読み込んだ。 そしてレポート用紙3枚にまとめあげた。 さらに高齢の幸之助のことを考えて、 テープレコーダーに、まとめたレポートの内容を録音した。 作業がすべてが終わったとき。。。朝になっていた。 部下は、 なんとか社長(幸之助)が、また同じ質問をしてくれないものだろうかと祈った。。。 すると、 出社して、まもなく、幸之助が近寄ってきた。 幸之助 ”きみ、今度、ハーマン・カーンという。。。。” 部下 ”ハーマン・カーンさんですね。” 幸之助 ”そやっ ” 部下は待ってましたとばかりに、 ハーマン・カーンについて、まとめたレポート用紙を取り出して、 30分ほど説明した。 幸之助は、部下の話を聞き終わると、 ”ようわかった。”と言って笑顔で深くうなずいた。 そして、部下は、もし、よろしければ。。。 と言って、幸之助にレポートの内容をまとめた録音テープを手渡した。 翌朝、 部下は、社長(幸之助)が車から降りてくると元気よく挨拶をした。 すると、 幸之助は、開口一番、笑顔でいった。 ”あんた、いい声しとるなあ~ ” 部下は、この瞬間 ”この人のためならどんなことでも努力しよう。”と思ったという。 幸之助は、部下に対し。。。 ”もっと詳しく調べてみろ!と言ってもよいところ、 あえて何度も、何度も、同じ質問を繰り返し部下の”気づき”を待っていたのだった。 ”松下電器は、人をつくる会社です。 あわせて家電も作っております。” お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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