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カテゴリ:カフェ感
先日、ブログでニーチェのことばを書いた。 ”才能がひとつ多い方が、 才能がひとつ少ないよりも 危険なことなんです。” という言葉だ。 この言葉に対し、ご意見をいただきました。 ”そうは言っても、才能は多い方が 生きてゆくうえで良いと思います。” というものでした。 じつは、 わたしも、 社会人になった当初、まったく同じ考え方をしておりました。 当時、わたしは人から”バイパー”と呼ばれ、 パワービジネス一辺倒でした。 真っ赤で太いサスペンダーを巻き、 高価な時計を買っては喜んでおりました。。。 その後、 様々な、すばらしい人との出会いを経て、 今の考えに落ち着きました。 ニーチェのことばの意味とは。。。 先日、 アメリカの国際ピアノ・コンクールで日本人ではじめて優勝を果たした、 全盲のピアニスト、辻井伸行さんが まさにニーチェのことばを体現された方だと思います。 今まで、 数多くの、目の見える元気な日本人が、 バン・クライバーン国際ピアノコンクールへ挑戦してきました。 しかし、だれひとり優勝することは出来ませんでした。 辻井さんの演奏を聞いた審査員の一人は、 ”まるで天から音がふってくるよだった!”と話しておられました。 テレビでは、彼の演奏シーンばかり映し出されておりましたが。。。 演奏終了後の彼の映像にこそ、かれの素晴らしさがあると思います。 ふつう、演奏者は、 演奏が終わると、立ち上がり かるく会釈して、 笑顔で手を振って舞台のそでに消えてゆきます。 しかし彼は、 演奏が終わると、立ち上がり、 体を深々と90度近くまで折り曲げ、 しばらくお辞儀をしたままの姿勢でいます。 拍手がようやく鳴りやみかけたころ、彼は頭をあげるんです。 以前、 彼の演奏終了後、 おじぎの仕方を不思議に思った記者のひとりが、 彼に尋ねたことがあります。 記者 ”どうして あんなに深々と長い時間おじぎをするのですか? ” 辻井さん ”わたしに出来ることは、唯一、ピアノを弾くことです。 だから、演奏を聴きに来てくださった皆さんには、 こころからお礼がしたいんです。 だから、 拍手をいただいているあいだは、 申しわけなくて顔をあげることができないんですよ。(笑)” 視力が、5 人間性が、5 の人と、 視力が、0 人間性が、10の人 ニーチェのことばの意味は、 こういう意味だとわたしは理解しております。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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