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カテゴリ:カフェ感
住友と三菱。。。 ともに日本を代表する企業。 ずいぶん古い話ではあるが。。。 住友本社の常務までのぼりつめた、川田さんの話が面白いので紹介したい。 明治40年 川田さんは東大法学部を卒業し住友に入社した。 入社して驚いたのは。。。給料の安さだった。 職場を見渡しても。。。お金持ちは。。。誰もいなかった。 一方、 同じ東大法学部を卒業し、官僚となった同級生たちは、 高給官僚と。。。もとい、高級官僚となっていた。 川田さんは、住友に入社すると、 先輩から、こう言われたそうだ。 ”いいか 社会を先にして、私欲を後にするんだ。” 住友グループの社是をご紹介したい。 営業の要旨 (今から100年以上前につくられた住友の社是です。1891年制定) 第一条 我(われ)住友の営業は信用を重んじ確実を旨とし、 もって其(そ)の鞏固隆盛(きょうこりゅうせい)を期すべし。 第二条 我(われ)住友の営業は時勢(じせい)の変遷(へんせん) 理財(りざい)の得失(とくしつ)を計(はか)り 弛張興廃(しちょうこうはい)することあるべしと雖(いえど)も 苟(いやしく)も浮利(ふり)に趨(はし)り軽進(けいしん)すべからず。 分かりやすく言うと。。。 ”住友と言う会社は、未来を切り開いてゆく会社であって、 そこいらに転がっている、 つまらない儲けには手を出さない。”という意味になる。 川田さんは、終戦後、お金をコツコツと貯め 昭和30年にようやく鎌倉の辻堂に中古の家を買った! 売主は、三菱を定年退職された方だったそうだ。 売買の条件は二人で話し合った。 なんの駆け引きもなく話し合いは行われた。 家の購入という大事な契約の話なのに、ほんの1時間で交渉は済んだ。 そして、 引っ越し当日、 川田さんは、契約になかったことを発見して驚く! 畳(たたみ)が全部、新しくなっていた。 台所には、当時としては、たいへん貴重なステンレス製の調理台が、 きれいに磨きあげられ、 その上には いちりんの可憐な花が飾られていた。 床の間にも、 みごとな盆栽が飾ってあった。 そして。。。 川田さんは、お風呂場に行って感激する。 なんと、浴槽(よくそう)には、水が、なみなみと満たされていた。 (補足説明)昭和30年当時は、まだ井戸からバケツで、人が水を運ぶ時代だった。 そして、風呂をわかす焚口(たきぐち)の横には、 薪(まき)が束ねて置かれていた。 ”お疲れでしょう。引っ越し作業がひと段落ついたら、お風呂で汗をお流しください。” 川田さんは、”三菱の人”の心遣いに感激した。 ”さすがは三菱の人だ” 現代の日本社会では、 アメリカから持ち込まれた権利主義、マニュアル社会が浸透している。。。 ほんの少し前の日本、 じつにカッコのよい人々がいた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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