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カテゴリ:カフェ感
ほんの少し前、 日本に新しい書体が生まれた。 新しい書体をつくった男は。。。 有名なデザイナーではなかった。 三和警備保障株式会社の、ひとりの警備員だった。 その警備員の名前は、 佐藤修悦(さとうしゅうえつ)さん。 その佐藤修悦さんの作ったオリジナルフォントということで、 その書体名は、”修悦体(しゅうえつたい)と呼ばれている。 2004年 場所は、JR新宿駅東口付近、 当時、新宿駅では大規模な改築工事が行なわれていた。 駅構内には、工事用フェンスが立ち並び、 まるで迷路のようになっていた。 文字をデザインすることになる、 佐藤修悦さんは、この駅の誘導員として派遣された。 佐藤さんは、 大きな声で一生懸命に通行する人々に誘導するのですが。。。 多くの人が気づかずに迷って困っていた。 佐藤さんは、その光景をみていて、 誰に頼まれたわけでもなく、 ガムテープを取りだすと。。。 工事用の防護フェンスに、ガムテープで文字をつくって行きました。 ”渋谷方面 ⇒ ” 佐藤さんは、ただガムテープで文字を作っただけではなかった。 ”どうしたらお客さんは、案内の文字に気づいてくれるだろうか。” ”急いで歩いている人でも読みやすい文字とはどういうものだろうか。”などと 考えながら、ガムテープで文字をつくっていった。 佐藤さんは、 カッターを使い、ガムテープでつくられた文字の端を切って曲線をつけたり、 黄色い文字に黒のテープで縁取りしたりと工夫をしてゆきました。 すると。。。 新宿駅を利用している人から。。。 この見たこともない、不思議な文字(書体)に。。。 ”あの文字を考えたデザイナーは誰ですか?” ”あの看板の制作会社はどこですか?” という問い合わせが、 ぽつぽつ舞い込んできた。 佐藤さんの作った案内表示は、 当時、少しづつではあるがブログなどで話題となっていた。 そして、 トリオフォーの山下陽光(やましたひかる)さんが佐藤さんに取材し、 その記事を、YouTubeにアップロードしたところ。。。 大きなムーブメントとなった。 佐藤修悦さんのつくった文字が、修悦体として世の中に認知された瞬間だった。 その後、 彼の生み出した文字は、 工事現場を飛び出して、 映画のタイトル文字や、CDジャケットにも使われるようになっていった。 佐藤さんは、駅から活躍が認められ表彰された。 賞状と靴下2足が佐藤さんに贈呈された。 佐藤修悦さんは、 警備員の仕事をするよりも、文字のデザインをする仕事のほうがやりたくて ”修悦体”を作ったわけではない。 警備員の仕事を一生懸命やっていたからこそ、 通行する人々の気持ちを深く理解することができ、 人の役に立ちたいという思いが偉大な発明につながった。 むかしから、 よく言われている言葉がある。 ”仕事を楽しんでいる人は、 時として、”実力以上のもの”が出せる瞬間がある。 いい顔してます佐藤さん! 修悦体 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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