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カテゴリ:ピーター・F・ドラッカー
ドラッカーは言う。 ”立派な大企業が長期低迷に入る主たる原因は、 事実上、 五つの大罪のうち、少なくともひとつを犯したことによるものであり、 世の中の景気とは全く関係がない。” その五つの大罪とは、 どれも、 犯さずにすむことのできる罪でもある。” 第一の大罪は、 ”利益信奉主義。” ひとつ例を出すならば。。。 家電製品の中で、急速に大きな成功をおさめた製品のひとつに”コピー機”がある。 コピー機の開発に成功し先行する企業は、機能を追加して利益幅の拡大を狙っていった。 一方、消費者は、単純な機能さえあれば、それで十分だった。 結果、 後発メーカーが、機能を絞り込み、低価格化を実現し、 先行するメーカーから市場を奪っていった。 第二の大罪 ”高価格信奉” これも、また、 競争相手を招き入れるだけの結果でしかない。 むかし、ファックスを開発した企業は、 ファックスの販売価格に限界一杯の小売価格を設定した。 その結果、 ファックスの世界マーケットシェアは、他国企業の手に渡っていった。。 それにひきかえ、ナイロンを開発したデュポン社は、 従来、下着メーカーが、繊維会社に支払ってきた価格よりも、 なんと、いっきに4割もの安い価格で新素材のナイロン提供していった。 その結果、他社は参入する意欲を失ってしまった。 デュポン社は、それ以後ずうっと一流繊維メーカーの地位を維持している。 第三の大罪、 コスト中心主義。 ほとんどの欧米企業が、コストを積み上げ、それに利益幅を上乗せすることによって 価格を設定し、その結果、市場を失ってしまった。 価格を設定する唯一の方法は、マーケット・インでしかない。 つまりマーケットが、快く支払ってくれる価格からスタートすることだ。 その上で製品を設計するほかないのだ。 現在、 かつて無敵を誇ったアメリカの家電メーカーが全滅してしまった原因が、 その価格設定の誤りにあった。 第四の大罪、 ”昨日崇拝” 昨日を重視し、明日を軽んじる。ことだ。 IBMは、かつてパンチカード事業を重視して、コンピュータ事業を軽視し、 その後、メインフレームを重視して、パソコンを軽視してしまった。 その結果、 国防総省のメインコンピュータを作った会社であるにもかかわらず、 パソコン事業を手放すこととなってしまった。 そして、マイクロソフトやインテル、グーグル、アマゾンなどに 主役の座を譲ることになってしまった。 第五の大罪、 ”問題至上主義” チャンスを放っておいて、つまらない問題にかかりきりになること。 GEは、世界市場で一位か二位になる気のないものから手を引いたとき、 一気に上昇気流に乗った♪ ドラッカーは言う。 五つの大罪とは、 いままで十二分に明らかにされてきているものばかりである。 しかし。。。歴史は繰り返される。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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