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カテゴリ:カフェ感
おもしろい対談だった。。。 楽天の元監督で、 過去、4度のリーグ優勝、3度の日本一に輝いた監督。 野村克也さん。 もう一人は、 絶大な人気を誇った元内閣総理大臣、小泉純一郎の首席秘書官。 飯島勲さん。 ふたりは、” 強か ” である。 強か(したたか)とは、”手強いこと、一筋縄ではいかないこと。” 飯島勲 ”今年一月の自民党党大会で、野村監督は、大敗した自民党議員達に向かって、 ”勝ちに不思議の勝ちあり” ”負けに不思議の負けなし”。 このことば。。。 わたしは、野球については、まったくの素人ですが、 最下位のチームを何度も優勝に導いた監督だからこその重みのある言葉でした。 野村監督 勝つときはいろんな勝ち方があります。 相手が勝手にずっこけたり、勝手にミスしてくれたりして、 ”ああラッキー”という勝ち方もあります。 しかし。。。 しかし、負ける時というのは、 負けるべくして負けるものです。 勝負の世界にいると、 勝って反省というのは、なかなか出来ないものですが、 負けた時には、深く反省します。 それは、敗戦の中には、いい教訓がたくさんあるからです。 飯島勲 すばらしいお話です。 あの党大会で司会をしていた小泉進次郎議員のことを ”実にしっかりしている。”と、ほめていらっしゃいましたね。 野村監督 政界では、 親子二代で活躍している人もけっこういるのに、 日本のプロ野球界には、親子二代の名選手っていうのはいません。 メジャーリーグでは、 ケン・グリフィー・シニアとジュニアが親子そろって活躍しているのですが。。。 飯島勲 男の子の身体的な特徴は、母親に似てしまうところがあります。 野村監督 そうなんです。 息子の克則は完全に母親そっくり。 体形もそう。 うちの女房(沙知代夫人)も若いときは脚がキレイだといわれていて。。。 飯島勲 今もおキレイです。 野村監督 。。。。。。。。 そういう意味では、 巨人の谷佳知選手の二世には期待してます。 飯島勲 母親が、参議院議員の谷亮子(柔道家/やわらちゃん)さんですからね。 野村監督 問題は、野球を始めてくれるかわからないところです。(笑) 飯島勲 話は変わりますが、 わたしは、”情報”の大切さを常に思い知らされてきました。 野村監督は、現役時代、 打者の耳元で相手の私生活を暴露して、集中力を乱す作戦を使われていたと聞きます。 野村監督 現役時代、 ぼくがバッターボックスへ入ったときに、 相手チームのベテランキャッチャーが、話しかけてくるわけですよ。 ”おまえ、打撃フォーム変えたのか ”ってね。 何も変えていなかったのに指摘されて、えらく気になって、 ”そうですか?”なんて答えていたら、 あっという間に、三振をとられてしまったことがあったんです。 バッティングの基本は、集中力と積極性です。 話しかけられて、 集中力が乱されてしまったんですね。 その時、 ”これは使える♪”と思って、” それ以降、ささやき戦術”を使い始めたんですよ。 飯島勲 その、 ”ささやき戦術”で使う、選手の私生活に関する情報を、 銀座や北新地の高級クラブで集めていたそうですね。 野村監督 ああいうところが、 一番情報が集りますから。 クラブへ行って、 席について、 ホステスさんが来ると、 まず聞くんですよ。 ”ここ野球関係者くる?”ってね。 ”長嶋がくる” ”王がくる”っていったら、 その対応をした係りの女の子をちょっと呼んでもらうんです。 そして、日本シリーズ前なんか、王、長嶋の情報を得てね、 ”ささやき戦術”に使うんですよ。 ただ。。。 王は、僕のささやきには けっこう反応してくれたんですど、 長嶋にはまったく効果がありませんでしたね。 彼とは会話が成り立たなかった。 次元が違うんですよ。 スーパースターと一般人とではね。(笑) 飯島勲 確かに、 昔は、高級クラブは重要な情報が集るところでした。 わたしは、 クラブへ行くと、 ナンバーワンと、 一番売れていない女性をセットで呼ぶことにしてました。 そして、 ナンバーワンのほうが席を立つたびに、 売れていない女性に、1000円札を四つ折にしたチップを渡していくのです。 そうすると、 ナンバーワンのもっている顧客の情報を、なんでも教えてくれるんです。 これが なかなか深い教訓を含んでいるんです。 普段、なかなか光の当たらない人と誠実に付き合うことは、 情報収集の観点から極めて大事なことです。 たとえば、 守衛さんに積極的に声を掛けて親しくなり、 よくマスコミや職員の動向、建物の裏口、裏導線などを教えてもらいましたよ。 おそらく 彼らには、守衛さんは空気のような存在だったんでしょうが、 目は二つ ついているんですよ。 野村監督 それはおもしろい話です。 飯島勲 息抜きで、クラブに通っていた選手も多かったと思いますが、 監督は情報収集のためというのがすごいですね。 飲んで、お金が消えてしまうわけじゃなくて、 情報に変えていたんですね。 店も相当選ばれたと思いますが。 野村監督 環境が人を育てるというのもありますから、 安いクラブやバーには一切行かずに、一流の店に行くことにしてました。 まあ、 私は酒を一滴も飲めないのですが。。。 飯島勲 私もです。 アルコールはまった飲めません。 それなのに、 銀座に行くと、一本120円のコーラが5000円にもなるのですから、 まいりました。 野村監督 確かにそれはある。 でも、情報代と思えば高くない。 飯島勲 情報収集といえば、 日本ではじめてメジャーリーグの打撃理論を勉強し導入したのも野村監督でしたね。 野村監督 飯島さんは、野球を知らないという割りに、よく調べておりますね。(笑) メジャーリーグ、最後の四割バッター、テッド・ウイリアムズの打撃理論の中に、 ”わたしはピッチャーが振りかぶる時には、もう80パーセント以上の確率で、 何を投げてくるのかわかる。” ”ピッチャーが、キャッチャーのサインを見て、 直球か、変化球かをピッチャーが決めた時の小さな変化が私には見える。” と、さりげなく すごいことが書いてあったんですよ。 当時の日本の野球は、 ”根性””努力””気合”などの精神野球の真っ只中で、 だれも、そんなことは考えてなかった。 当時は、ピッチャーのボールの握りも丸見えだったんです。 だれも、そんなに そこに視線を合わせていなかった。 飯島勲 それで、 野村監督は、当時、だれにも打つことが出来なかった、 ”神様 仏様 稲尾様 ”の稲尾和久投手をバックネットの裏から 16ミリフィルムで撮影し、徹底的に研究して打ったんですね。 野村監督 友達に頼んで、ネット裏に16ミリを持ち込んで、 特にボールの握り方がわかるようにピントを合わせて撮ってくれって。 飯島勲 ”観察” ”記録” ”分析”を徹底的にやって結果を出すというのは、 あらゆる戦略に通じます。 わたしも、2005年の郵政選挙の際、 ”独自”に調査し、新聞の世論調査よりもかなり正確な数字を掴んでおりました。 候補者選定、 遊説日程などにも生かしました。 メディアが、 選挙ニュースを流す かなり前の時点で、 選挙結果を正確に把握しておりました。 野村監督 綿密な下調べとしては、 監督は、頭の中で、最低一試合につき三試合はやります。 想像野球 実戦野球 反省野球 まず、最初にする想像野球は、いつも完全試合(笑) で、実戦野球になると。。。 実戦野球の後で、想像と実戦の間に差が出た理由を考えるのが反省野球です。 飯島勲 ”反省野球”ですか。。。 今の日本の政治にないものですね。 野村監督 失敗した選手でも、 こいつは 我慢したら 将来 必ず 働く、 伸びてゆく と思えば、 辛抱して結果が出なくても使い続けます。 そういう選手とは、どんな選手かというと。。。 わたしは、三振して帰ってくる選手の顔をじっと見ているんですよ。 くやしい顔をして帰ってくる若い子はね、見込みがあるんですよ。 あっけらかんとして帰ってくる子は ダメですね。 なぜ、ダメだったのか 考えられる人間には、次のチャンスを与えたい。と わたしは思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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