うちわとじいちゃん
仕事中、頭痛に悩まされつつ仕事をし、終了したのが23時。
ちょっとぐったりしながら電車にのりこみ
ぼ~っとしてたら何故か隣から風を感じる。
隣に座っているじいちゃんがうちわであおいでくれているのだ。
『大丈夫ですよ。』
とあおいでいただいた手を止めてもらおうとしたら
じいちゃんうちわを差し出し
『こんなものしかなくてすみません…』と。
『ありがとうございます…』
貰わなくて申し訳ないような気持ちになり、うちわを貰う。
その後、ややほりが深い顔立ちのじいちゃんは、私を励まそうと
『上から言われた事は気にするな』
『トップなんて何も分かってない』
『先輩の小言は後から有り難みがある』
などなどかすかなお酒の匂いと、発音のややおかしい日本語で話しかけてくれる。
外人?かと思ったのだが傘にはペンで『なかじま』の文字。
なかじまじいちゃんの話しを聞きながら今の自分の立場と状況を考える。
上の立場になった時、私はうしたいのか?
上からの課題の理由は?
最後になかじまじいちゃんにお礼を言うと
『あなたみたいな素敵な人と話せてよかった』
『ありがとう』
なかじまじいちゃんの隣に座る前に読んでいた本に
何の根拠もないことでも相手に言われた事を
素直に喜び自分に言い聞かせる。ことも大切とあった。
電車を降り自分に言いきかせる。
『自分は素敵な人』だと…
じいちゃん…心配かけてごめんね。そしてありがとう。
明日もやっていけそうです!!