生後30日・タンデム授乳
タンデム授乳って知ってますか。一言で言うと、キョウダイ同時授乳。我が家は今、タンデム授乳をしています。2歳になる誕生日をきっかけに断乳したKENT。理由は、「ご飯を食べない」「二人目妊娠を踏まえて」「夜の授乳が頻繁なため、ママが体調不良」というものでした。パパの協力あって、断乳完了。眠いとき、甘えたいとき、慰めるとき・・・KENTには必要不可欠だったおっぱい。さぞかし苦労するだろうと思っていたのに、意外とあっさり断乳ができました。そして、すぐにかれんを妊娠しました。妊娠中、赤ちゃん帰りと情緒不安定を繰り返したKENT。見事におっぱいがえりをしました。私自身の体がつらかったこともあって、KENTのそれを受け入れ、添い乳でお昼寝させることがありました。妊娠中の授乳は、子宮を収縮することがあるのでやめるようにと、産婦人科の先生に言われました。妊娠後期、胎児が小さめだということもあって、再度KENTにおっぱいを吸わせないようにしました。しかし、心の拠り所を失ったKENTは、行動が乱暴になったり、あきらかに情緒が不安定になりました。それを見た私は、二人目を生んだ後、この子は大丈夫なんだろうか・・・と心配したものです。出産した翌日、KENTがパパに連れられて、病院へお見舞いに来ました。そこでKENTが見たものは、ベッドの上で小さな赤ちゃんにおっぱいをあげる私の姿でした。それを見たときのKENTの顔を忘れることはできません。悲しみとも怒りともとれる複雑な表情。そして、一言。「あ・・・ケンケンのおっぱい・・・」私が身重のとき、KENTにたくさん我慢をさせたこと。入院中、私のいない寂しさに耐えたこと。おそらく2歳のKENTには大きな試練だったことでしょう。その上、欲しくても拒否され続けたおっぱいに、知らない赤ちゃんが吸い付いているではありませんか。KENTがそれをどう感じるか、容易に想像がつきました。そして私は言いました。「おいで。赤ちゃんとはんぶんこしよう」KENTの顔がパッと晴れ、両手を広げて胸に飛び込んできました。右のおっぱいをかれんが。左のおっぱいをKENTが。KENTが言いました。「かれんちゃんと、はんぶんこね」小さなかれんの手に自分の手を重ね、愛しそうに新しくやってきた家族を見つめていました。その瞬間、「ああ、これでよかったんだ」と思いました。かれんのことを、「ボクからママを、おっぱいを取り上げたライバル」ではなく、「これからママを、おっぱいをはんぶんこする仲間」そう受け止めてくれたのかな・・・と。明日でかれんは生後1ヶ月。KENTはお兄ちゃん暦1ヶ月。今でもかれんに授乳をしていると、「ケンケンもー」と寄ってきます。でもけして、かれんを押しのけたりはせず、「はんぶんこねー」と、そーっとかれんと手をつなぎ、器用に空いているほうのおっぱいをチュチュッと吸っては、また遊びに行ってしまいます。急いでいるときや、かれんがぐずっているときに、KENTにそれをされると、ややうっとうしくもありますが(笑)、かれんに自分の足が当たらないように気遣いながらおっぱいを吸っているKENTを見ていると、ほほえましくもあります。KENTは今、たくさん笑い、食べて、踊って歌って、いたずらして、とてもイキイキとしています。もちろん、おじいちゃんとおばあちゃんに心の隙間を埋めてもらっているおかげかもしれません。でもKENTにとって、迷いながらも兄妹同時授乳に踏み切ったことは、間違いではなかったと思っています。もうすぐ3歳なのに、まだおっぱい吸ってるの?人がどう思うおうが、どうやらこれがうちの兄妹のスタイルのようです。