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リボンは、私の高校時代の必須アイテムだった。
私の通っていた中学校は、かなり校則が厳しかった。 まあ、あの時代は、全国的にそうだったのかも知れないけど。 頭髪についても例外ではなく、女子の場合、 ・前髪は、いわゆる「オン・ザ・マユゲ」 ・肩に髪がついたら結ばなくてはいけない ・結ぶゴムは黒以外厳禁 ・リボン、バレッタ類は厳禁 ・もちろん、パーマ、カラー、脱色(当時流行っていた)なんてもってのほか といった具合だった。 (ちなみに、男子は丸刈り強制だった!) 私は、「いい子」だったので、これらのことをきちんと守っていたけど、やっぱり何だか窮屈だった。 ところが… 高校に入学すると、その状況が一変した。 進学した高校が、割と自由度が高く、校則も本当に緩い学校だったのだ。 制服こそあったけど、中のブラウスは白けりゃだいたいなんでもOKだったし、靴下も何色のどんな靴下でも文句を言われたことはなかった。 スカートの長さ(当時は、まだ「長いのがちょっと悪い子の象徴」の時代だった)も様々だったけど、それをとやかく言う先生もいなかった。 で、頭髪も、原則「なんでもあり」だった。 さすがに、パーマやカラーはだめだったけど、前髪がどんなに長かろうが、ロングヘアをそのまま下ろしていようが、どんなリボンや装飾品の類をつけていようが、まったくおとがめなしだった。 (それに、パーマ・カラー禁止、といっても、こっそりやっている子は何人もいて、先生だって気付いていたのだろうけど、それで注意されたという話も聞いたことがなかった) 当時の私は、髪を伸ばしていたこともあって、この自由さが、たまらなく嬉しかった。 もう、先生の目を気にすることもなく、自由な髪型をしていっていいんだ! その結果、始まったのが、リボンコレクションである。 私も、年頃の女性、やっぱりかわいい格好をしたい。 でも、高校生の少ないお小遣いで、そんなに高いヘアアクセサリーなど買えるわけもない。 その点、リボンは、結構かわいくできて、しかもお手頃価格で買える、高校生女子にはぴったりのアイテムだったのである。 私がよく行ったのは、学校から家までの帰り道の途中にあるデパートの手芸品売り場である。 (ちなみに、いわゆる「寄り道」もまったくおとがめなしだった) そこでは、様々なリボンが、1mいくらの切り売りで販売されていた。 リボン売り場をながめながら、(どのリボンがいいかな?)と考えているだけで、結構幸せだった。 お気に入りのリボンがいくつも見つかって、迷ったことも数知れずだったけど。 で、「これ!」と決めたら、巻き尺状に巻いてあるそのリボンを、持っていって、「これを1mください」と言うのだ。 そうすると、お店の人が、メジャーで測って、切って袋に入れてくれる。 お金を払って、それを受け取ったときは、本当に幸せな気分だった。 よく買ったのは、1m200円とか300円とか、それくらいのものだったと思う。 ちなみに、切り売りのリボンは、そのままにしておくと、次第に端がほつれてきてしまうので、ちょっとした加工を最初に施しておかなければならない。 それは、両端をピンキングばさみで切った後、そこに透明のマニキュアを塗っておくのである。 当時、私にマニキュアを塗る趣味はなかったが、この透明のマニキュアだけは、必需品だった。 そんなことを繰り返しているうちに、リボンの数もものすごいことになっていった。 で、それをどう保管しておくかが問題だった。 保管方法を下手すると、リボンにしわが入って、いざ使いたいときに使えなくなってしまう。 (どう考えても、しわくちゃのリボンはみっともない) で、私が編み出したのが、部屋にロープを渡して、そこに吊っておく方法だった。 ずらっとロープに並んだリボンたちをながめながら、さあ、今日はどんな髪型で、どのリボンを使おうか、と考えるのが朝の日課であり、楽しみであった。 今は、もう、髪にリボンをすることも、ほとんどなくなってしまった。 でも、当時のリボンたちのうち、いくらかは、まだ手元に残っている。 それらを見ていると、当時、ちょっと背伸びをしながらも、必死にお洒落をしたかった自分を思い出して、ちょっぴりセンチメンタルになるのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月03日 22時03分20秒
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