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あんどうりす の りす便り

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2012年09月10日
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今日は、岩波新書からだされた「大災害と法」の著者の弁護士さん津久井進先生にお会いしてきました。


【送料無料】大災害と法 [ 津久井進 ]

私は、旧司法試験の2次短答式試験といういわゆるマークシートの試験には合格経験があり、法律は好きだったのですが、法的解決がいつも事件が起こってから、犠牲者がでてからお金での解決にしかならないのが、どうにもはがゆくて。
それで事前に犠牲者を防ぐ防災の分野に首をつっこんだという経緯があります。

でも、この本を読んで再び、法的解決に希望を持っています。

津久井先生、すごい。こんなに制度がバラバラで、いいかげんにできた災害関連立法をここまでわかりやすくまとめてくれるなんて!!

被災地の多くの人を困らせた 災害救助法施行例っていうのがあって、これに基づき厚生労働大臣が定める基準で、(被災者に提供する)1日の食事は1010円以下 という記載があるのです。

だから交通が復旧していても何故かパンと牛乳だけとか、おにぎりとジュースだけみたいな食事が被災地でだされ続けたのです。

施行令とか、厚生労働大臣といわれると、善良な市民もまじめな行政マンも従わなければ!!って思うのも無理はありません。でも、これは法律ではないので、拘束力がないんです。こういう考え方でとりあえずはいきましょうかという程度のものなんです。法律である、この施行令の上で施行令にしばりをかけているのが、災害救助法という法律。こっちのほうは、不備はあるものの、ちゃんと1条に書いてある被災者保護の条文から解釈していけば、1010円はあえりえないってことになります。

授乳期なんか2人分以上食べていたというのに、パンと飲み物だけじゃ、倒れます。

この災害救助法をもっと使いこなせばよいし、実際に弾力的に使いこなしてうまく被災者によりそった自治体もあります。
災害になってから、1010円の食事のまま我慢するのでなく、法律的知識があると自分の身が守れる、
そう思ったので、

直接 親向けの防災講座の中で、パパママにレクチャーしていきたいので、本の内容を紹介していいですかと先生にお願いしてみました。

津久井先生の本は非常に精緻。将来的な法のあり方まで書かれていて、単なる法の分析におわっていない。夢のある内容です。だから、とても切れ者という本からの印象。それが、お会いしたら、もちろん切れるという印象はそのままなんですが、もー とっても気さくでだじゃれまで言っちゃって、チャーミングな先生でした♪

もちろんOKをいただきました。やった〜。

他にも知っておいたらいいこといっぱい本に書いてあります。

法では、被災者に現金をあげてもいいってあるのに、現物(冷蔵庫とかテレビとか)給付じゃないと駄目と思い込んでいる自治体が多い現実。
現物支給の洗濯機が巨大すぎて、仮説のお風呂の入り口をふさいじゃったりとか、1人くらしには大きすぎて電気代ばかり嵩む、しかもそれら現物は東京で購買されている・・なんて話はしょっちゅうありました。
欲しくない現物よりも、自分がつかいたいものを地元商店で購入すればもっと被災地支援になるのです。

現物支給されそうになったら、もらう側が、法にのっとって現金にしてくださいって言えるようになったらいいなと思っています。

行政関係者も法に現金でOKと書いてある事を知らないことが多いそう。
なにせ行政の防災の要項が、厚さ3、5センチで800ページもあります。細かな考え方の例が書かれているから、細部に及んでいるうちに、被災者保護の法律の趣旨を忘れちゃうのではないかと私は推測しています。

あと、避難の権利の話のところも 多くの方に伝えておきたい部分です。
大災害と法 153ページから引用すると
「国際的な人権保障の観点からは、避難者に対する日本の権利保障は低いレベルにあるといわざるを得ない」として2つの国際基準が紹介されています。

わたしもちょっとだけその国際基準のいくつかの文章を抜粋すると

国内避難民は、次の権利を有する。
   国内の他の場所に安全を求める権利

被災者の移動に関する権利は、避難を強いられたか否かを問わず、尊重し、保護されるべきである。この権利は、危険地域に留まるかまたはそこから離れるかを自由に聞ける権利を含むものとして理解されるべきである。

自然災害による差し迫った危険にさらされている被災者の生命、身体の健全性および健康は、その所在地がどこであるかを問わず、最大限可能な限り保護されるべきである


↑わかりやすい文章だけじゃなく、被災者がどんな選択をするにせよ、きちんと守ってくれる愛を感じる♪
日本の避難者は、それぞれが法によって守られていないから、裏切っただのわがままだの、自分と違う考えの人を責めがちになっているようにも思える。確かに、権利の保護が低いレベルだと私も思うのです。


その他、仮設住宅は作ってから2年後に壊す事になっていて、壊すまで含めると1人あたり600万の経費がかかってしまっています。

税金で同じ600万だすなら、私は、被災者が自分の家を作り直すのに使ってもらいたいです。
国の解釈は、個人の私有財産となることをとても嫌うのですが、(平時はそれでいいでしょうが)そうしてはならないという法や憲法規定ってないんです。そして最近の防災減災立法は、個人の財産となることを認めつつあります。

これは、国が誰かに税金をあげてしまうのは、平等じゃないから、そんなことを認めると国民が守れなくなっちゃうと思って善意からやっていることだと思います。ですから、多くの国民が、こわす仮設住宅に使うより、恒久的に住める住宅を提供していいよ、いま被災していないところもいつ被災するか分からないから、お互い様、共済と同じだよといってくれるようになれば、国の解釈もかわってくるんだろうなと思っています。

みなさんは どう思いますか?どういう選択をしたいですか?

ものごとの仕組みを理解して防災に役立てようという講演内容でしたが、それに加えて、法律の仕組みも知って使いこなしていただけたらいいなと思っています。

最後に津久井先生から子育て中の親に素敵なメッセージをいただきました♪

以下、先生からのメッセージ♪


母が子のために良いと考えたことは正しいと思っていい。
制度が邪魔するときは,その仕組みのほうがおかしいことが多い。
なぜなら,憲法で一番大事なのは,一人ひとりを大切にすることだから
柔軟な思考力のない頑固なおっちゃんに振り回されないこと!





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Last updated  2012年09月14日 14時10分24秒
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