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あんどうりす の りす便り

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2013年10月13日
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10月1日、JR横浜線の川和踏切(横浜市緑区)、男性を助けた村田奈津恵さんが命をおとされた事故から半月がたとうとしています。

このニュースがでたあと、Twitterで質問がありました。

踏切で人が倒れていたら、では、どうすればいいのでしょうか?

という内容の質問です。

津波の際、ずっと防災無線で放送されていた遠藤さんをはじめ、多くの消防団の皆さんが逃げることを説得しているうちに命を落とされました。

逆に、福祉施設職員の方が、「どうして、あなたが生き残ったのだ。命を投げ出してでも職務を全うしたらよかったのに」と後に言われたケースもお聞きしました。

みなさんはどう思われるのでしょうか?
自己犠牲しかないのでしょうか?


私は、保育者の方達にも防災講座を行なっています。
大切な赤ちゃんやこどもたちを守る人たちです。

でも、その際のテーマは、自分の命を守る事ができる人が人を助けることができるという話をしています。
自己犠牲はおすすめしていません。

例えば、上から落下物がある場合、落下物の下にいる人の上に覆い被さって一緒に亡くなる人ではなく、安全な場所をいち早く探して、こっちにおいでといえる人、それは、自分の命をきちんと守れる人だけがとれる行動です。ですので、こどもの命を守るためにも、自分の命を守れるスキルをもっと身につけていきたいと願っています。

複数のハイパーレスキュー隊員の方にお話を聞きましたが、もちろん自分の命を守るのが前提になっています。
海外のレスキュー養成講座は、まずその点を一番に教えます。
かえって、消防団のみなさん等の一般の方ほうが、その辺りが曖昧になっている印象があります。

でも、助けられる人と等しく同じく 助ける人の命も大切です。
救助する方のまわりには、その人の生存を強く願う人がたくさんいます。
ですので、相手と自分、両方助けられない場合は、自分の命を守って欲しいと私は思います。

さらに、救助する人が命を落としそうになってしまったら、その人を助けようとする人の命も危険にさらします。
2次災害を生むので、自分の命が守れない救助は、諦めるしかないと思うのです。

なんて非情なと思われる方もいらっしゃるかと思います。本当にそのとおりです。
だからこそ、その瞬間に、非情な状況にならないように、予防に力を入れなければいけないと考えています。
防災・減災について、話をさせていただいているのも、地味だし、地道すぎるけれど、最も命を守る効果があると思うからです。


救助できずに亡くなった人は、予防できなかった みなの責任です。その場にいた人の責任ではありません。(救助者は、法的には、緊急避難として責任はありませんので、この場合の責任は道義的な意味での責任というニュアンスです)

そして、自己犠牲が安易に叫ばれてしまうと、この予防がおろそかになる危険もあります。

このブログでもよく書いてきた 川の救助とライフジャケットなどがその典型です。
効果的な救助法を学んでいないので、溺れている人をみたら、すぐ飛び込み、命を落としてしまう人が後をたちません。
にもかかわらず、装備なしに飛び込んだ場合、表彰されています。
これだと、泳ぐ時(救助時も)、ライフジャケットを装備という予防がおろそかになってしまうのです。

また、自己犠牲が安易に叫ばれると、選択の自由が奪われる危険もあります。
本当は、命を失いたくないのに、それを選ぶことができなくなってしまったケース。

津波から生還した方の声で、本当は今、海岸にむかって救助に行くのはよくないのではないか、判断の誤りではないかと思いながら、向かってしまったというものがありました。
自分の命を守ったと責められた福祉職員の方は、次回の津波で命を落とす事を選択してしまうかもしれません。
戦争中の死はどうだったのでしょうか?

わたしは、やっぱり救助する人に 生きてほしいと願います。

予め、それぞれが自分の命を守ることを、自己犠牲よりも重点をおいて確認しておいてほしいのです。そうでないと、その瞬間に空気を読んで自由がなくなってしまいます。


もっとも、自由意志の下、選択した行動であって、結果として、救助者の命が失われる事はあるでしょう。

それが、とても尊い行為であることは、これ以前に書いていることと矛盾しない と考えています。

それぞれが、価値観や宗教観、今まで生きてきた人生をかけて 達成したいことは尊重されるべきことだと思うからです

さて、自己犠牲についてばかり書いてきましたが、救助者と救助される者、両方を救うためには予防が必要です。

予防とは、この踏切事故の場合、どのような事でしょうか?

まずは、踏切そのものの問題。弱者の視点で交通が整備されていない問題。これは、みながこのままじゃ事故が起きるのにと思っているのに解決されにくい事ですよね。
事故が起こって初めて対処するという事でも遅いのに、踏切に関しては事故が起こっても放置されている状況が続いているように思います。

道路行政においては、HONDAが埼玉県と提携して、ナビから収集された情報で急ブレーキの多い箇所を分析し、道路を変更したら、急ブレーキが減った事例があります。

以下、HONDAのサイトより

2009年 急ブレーキの多い道路を変更


2013年情報


鉄道は、鉄道会社との兼ね合いもあり、行政管轄の道路のようにスムーズにいかないのでしょう。

私たちは、どこにでもあるこのような問題をどうしたら解決できるのでしょうか?
署名とか、行政に意見をあげるしかないのでしょうか?
わたしも答えを探しています。高架にするために必要なことなどなど。


次に、非常ボタンをもっと早く押せばよかったという事に関連して、非情ボタンの場所がわかりにくい、横浜では私鉄は100%設置されているがJRの設置が少ないという問題があります。
これは、線路自体の解決より早くできそうです。

JR、車規制の踏切で非常ボタン4割未設置 私鉄は10割/神奈川:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社 @KanalocoLocalさんから


横浜・踏切事故について言 置き去りにされる「非常ボタン」の重要性

東京新聞:「非常ボタン押して」 踏切事故に対応 JRが呼び掛け:神奈川(TOKYO Web)

さらに、このケースでは関係がなかった可能性もありますが、駅からの落下事故、最近の原因となっている事は2つあると 駅ホームで駅員さんのアナウンスがありました。

1つめは、 スマホや携帯 をさわっていて、人にぶつかってしまう。
2つめは、 カートのついたキャリーが人にぶつかってしまう。

踏切で、スマホとか携帯をしていたら、誰かが倒れても気づかないかもしれません。すぐに助けられないかもしれません。非常ボタンを押すという判断も遅れそうです。

ですので、今すぐできることとして、まずは、少なくとも線路周辺だけでも、スマホなしになったらいいなと思います。
渡れないご年配の方を助けられるように。

最後に、1人でも人を軽く動かせる古武術の技は、救助に役にたつので、もっと広めないといけないなと思いました。今までに伝えた皆様、どうか周りの方に広めてくださいませ。お願いいたします。


村田さんのように 人を助けようと思い、行動にうつせる人であるなら尚更、私は生きていてほしかったです。

こちらの記事は、深く書かれており、一連の記事の中で一番心に残りました。

JR横浜線踏切事故:学ぶべきものは/神奈川:ローカルニュース : ニュース : カナロコ -- 神奈川新聞社 @KanalocoLocalさんから

どうか 皆さんの大切な人のいのちが守られますように





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Last updated  2013年10月13日 22時14分11秒
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