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私の住んでいる広島県の地方新聞は中国新聞です。スポーツ面のプロ野球、カ ープコーナーにあるコラムの「球炎」はいつもまず最初に読みます。 歴史あるコラムで初優勝の翌日の名文はよく紹介されます。 当時のタイトルは「球心」でした。ネットで探すと全文が載っていたので転載 します。 ----------------------------------------- 「球心 津田一男」 真っ赤な、真っ赤な、炎と燃える真っ赤な花が、いま、まぎれもなく開いた 。 祝福の万歳が津波のように寄せては、返している。 苦節26年、開くことのなかったつぼみが、ついに大輪の真っ赤な花となっ て開いたのだ。 カープは春の初め、はち切れそうなつぼみをつけても、開くことのない花で あった。 花の咲かない雑草であった。 来る年も、来る年も・・・ 原爆に打ちひしがれた広島の人びとの心のよりどころに、と結成されたカー プ。 カープは原爆の野に息吹いたペンペン草、踏みにじられ、見捨てられても、 屈することのない雑草であった。 それ故にカープファンは、いつの日か花開くことを夢見て、愛し続けてきた に違いない。 海の向こうからやってきたルーツおじさんは、この雑草を一年間じっくり観 察した。 そして、二年目、「咲かせてみせましょう」と乗り出し、入念な手入れをす ませると、さっさと帰っていった。 つぼみは日ごとに赤みを増し、生き生きと膨らんでいった。 水枯れの夏にも屈せず、台風の秋にも折れず・・・ 十月十五日、つぼみはついに真っ赤な花を咲かせた。 なんと長い、待ちに待ったその瞬間であったことか。 宙に浮く古葉の姿が涙にかすむ。 古葉もまた泣いていることだろう。 浩二はお立ち台で、コブシで涙をぬぐっている。 そして外木場が、大下が、三村が・・・ みんな抱き合って・・・ 広島の街は喜びの人々であふれていることだろう。 よかった。 本当によかった。 そして、この喜びを、今は亡きカープを愛した人人に告げ、喜びをともにし たい。 カープを、いまわの際まで愛し続けたみなさん、見ましたか、カープのきょ うのこの快挙をー。 この一年、不撓不屈、明るく勇ましく、一丸となって戦ってきたカープの集 約された姿がそこにありました。 強運の大下がたたいた、あの先制点。この1点、守り切るぞーとまなじりを 決して投げた外木場。 あとは任せておけーと不死身の金城。 そして最後にはホプキンスの3ランがついに、ついに、”V1”へのさん然 と輝く栄光の橋を手ごたえも確かにかけた。 あの虹の橋を何度夢見たことか。 その虹の橋が、いまはゆるぎない鉄の橋となり、その上で赤い帽子のナイン が、涙の笑顔で手を振っている。 幾万ものファンがその下で万歳を繰り返している。 真っ赤な花、炎と燃える真っ赤な花がそれである。 昭和50年10月16日 中國新聞朝刊 -----------------------------------------------
ジオから流れる放送に聞き耳を立てていました。 だからリアルタイムでは「球心」のこのコラムは読んでいません。広島にいた としても、高校時代は新聞を読む習慣はなかったので読んでいなかったかも知 れません。 「球炎」の面白さを書こうとしていたら、思わぬ方向に話が進んでしまいまし た。こうなると昨年2016年の25年ぶり優勝の翌日の「球炎」の内容が知りたく なってきました。 ネット上にありましたが会員登録しないと全文が読めません。 タイトルは「9月10日巨人戦、真っ赤な広島、心は一つ」でした。 会員登録しようかな。
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最終更新日
2017.04.08 12:27:08
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