カテゴリ:本・読書
『メメント・モリ』
藤原 新也 (著) 最近、心の隙間に水が欲しくて、写真集ばかりを見てしまうのだけど、 この写真集は、逆に元気な時に見たほうが良い。 ガツンと一撃を与えてくれる。 この藤原新也さんの写真に出合ったのは、約2年前。 その時のブログ(3代前!)がまだ残っていたので、転載します。 ====================== 朝、写真についての番組を見たから、というわけではありませんが、大丸ミュージアムで開かれている「藤原新也の聖地」へ行ってきました。これ、旅先で取った写真と文章でつづられている、写真家、藤原新也さんの写真展です。朝見た番組の影響で、何を伝えたいのかに重点を置いて見てみました。 展覧会の中から2点抜粋します。 ■ガンジス川で水葬された死体を食べている犬の写真 1点目について、自分が旅した時、とにかく様々な人と会い、見れるものは何でも見ようと思っていました。それぞれの国で、様々な背景を持った人達が、必死に自分の思惑を持って、またはどうにもならない社会の仕組みの中で生きているのを見てからは、自分が抱えている悩みや人間関係など、な~んて小さいんだと思ったものでした。藤原さんが触れているのは、ヒトの社会的な部分を剥ぎ取った、ヒトそのものの部分だと思われます。もちろん私の感覚とは違う次元でお話されていると思うのですが、この感覚を思い出したのでした。 2点目について、日本、アジアと大きな単位で国を捕らえているところが気になりました。外から日本を捉えなおしてみるという感覚。毎日の雑事に追われ、忘れかけている感覚に、外に出て初めて気付くことがあります。当たり前なことが、当たり前でないことに気付く感覚。日本にずっといて、海外に出ないと、日本の日常に埋没してしまい、色々なことを見逃してしまう、と思ったものです。今ではもうすっかりこの感覚を忘れていました。また学生時代に何を感じたのかさえ忘れてしまいました。 実はたまたま見かけた記事を元に展覧会に行ったため、「インドの写真といったっも、どれも似たりよったりだろう」なんて思っていたのですが。作者のメッセージや思想がわかる写真展は初めてだったので、何を伝えようとしているのかがわかり、楽しむことができました。ぼけたりぶれたりしている写真でも、その場の空気が伝わってきます。 ====================== 昔の文章を読み返すと、懐かしいですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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