カテゴリ:本・読書
もの食う人びと きっと旅行記でもない、グルメ本でもない。 でも分類すると旅行記か。 最近の旅行記本は、元気だけがとりえに感じてしまうのだけれども、 この本はごっつりと骨があった。 バングラディッシュで残飯を食べ、 ホーチミン行きの電車の中で、胃袋で資本主義を感じ、 チェルノブイリで放射線の中でアルコールでのどを焼く。 元記者をしていた辺見庸さんは、 頑丈な胃袋と巨大な好奇心にかられ、修道院、炭鉱、刑務所など、 世界中を訪れている。 食と、文化の関わりはおもしろい。 東南アジアに行くと、良く煮込まれた麺類が安く、 カップ麺の方が高かったりする。 南の方へ行くと、やたら甘い飲み物に会うのだけど、 理由を聞いてみると、経済が潤ってきたからだという。 でも薬膳では、砂糖の性は寒。 体を冷やす働きをするのだから、理にかなっている。 体に必要なものは、体が知っているのだろう。 食べ物には2つの役割がありそうだ。 1.コミュニケーションの手段 2.生きるための糧としての目的 状況に応じて、1や2の割合が増減するのだけど、 今は1と2の差がもっと広がっているんだろう。 上記の麺類のように、時間をかけることが当たり前だったことが、 速さと遅さのどちらも選択できるようになる。 選択肢を多くすることは、文化にも影響を与えるのかもしれない。 いつも遅い時間まで店の外まで行列ができている、 立ち食いカレー店をみて、そんなことを考えた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.11.17 00:23:37
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