カテゴリ:映画
朝出勤したら、会社が破綻したから、荷物をまとめてすぐに出て行ってくれと言われたら。
退職直前に、自社株購入で積み立てていた年金が紙切れ同然になったら。 エンロン-巨大企業はいかにして崩壊したのか? この映画は、エンロンの元幹部や、 フォーチュン紙の記者、アナリストらの証言によるドキュメンタリー。 内部の視点による生々しい心理状態や、この大きな企業に煙に巻かれていた、 外部の視点などが取り入れらており、引き込まれてしまった。 エンロン社のキャッチフレーズは「Ask Why」。 既成の概念を疑い、常に知恵(と金と権力)を絞って売上げを上げてきた。 業績が上がると社内は生き生きと活気付く。 一方、会社に貢献しないと判断された人が年に15%も解雇される人事制度や、 モラルより売上げ、安定より冒険を重視する姿勢があり、 社内も弱肉強食、マッチョカルチャーとなっていたそうだ。 映画の中でカリフォルニアの停電の話が出てくるのだけれど、 (参考記事:エンロンが仕掛けた「自由化」という名の金権政治) 惨事を見てトレーダー同士が交わす会話に背筋が凍る。 皮肉なことに「Ask Why」は社内では行われなかった、 または気付いた人は辞めてしまったのかもしれない。 嘘がゆきだるま式にふくらみ、 嘘に対する感度が回数を重ねるごとに鈍っていく。 一方、人はやっていることと言っていることの矛盾に、 精神が支障をきたしてくる。 人は誰でもこのような心理状態に陥る可能性があるということ。 人ごとではないと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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