032040 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

河向こうのフェスティバル

河向こうのフェスティバル

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

Robbins

Robbins

Freepage List

Category

2004/09/05
XML
今週末は、先週の肌寒さがうそのような快晴の夏日。終わったと思っていたものがまた戻ってきて、ジョギングにはきつい陽気であるものの、とても嬉しい。日曜日は朝からOxfordへ。

ロンドンからOxford、電車でいくと往復10ポンド以上(レギュラー料金ならより割高)かかるところ、このMegabusだとたったの4ポンド!(週日だと2ポンド)ロンドン市内の地下鉄よりも格段に安い。お下がりのロンドンバスを使った仕様だからか、二階建てでたくさんの人が運べるからこその価格かもしれないけれど、こんな安い対抗馬が出てしまっては、益々電車に乗る人が減ってしまう。鉄道の国イギリス、その名を守るためには安全の確保だけではなく、料金の維持(値下げ?)も必要で前途は暗澹たるものかも。

10時には街に到着したので早速、クライストチャーチの脇のMeadowを朝のお散歩。まだ店も開店前なのに街中には観光客の姿が見られたのに、このあたりには全く人も居なくて、木立の中テムズ河の支流沿いを散策した。昔インペリアルカレッジに留学が決まり、ロンドンに到着するやいなや「今後1年の学舎はどんなところか」とウキウキしながらロンドンのサウスケンジントンを訪ねたところ、単なる都会の真ん中にあるビル群ですごくがっかりした覚えがある。ケンブリッジやオックスフォードのような大学をイメージしていた私は完全に裏切られてしまった。イギリスでも地方に行くと、静かで広大な緑の多いカレッジタウンを抱えた大学が多いが、ロンドンでは、LSEにせよUCLにせよどこもビルが林立するだけ。もう一度大学で学べるのなら、今度こそはこういう落ち着いたカレッジタウンで勉学一筋の学生生活を送りたいもの(・・・と二度と学ぶことはないと思うからこそ言える言葉)。

お昼にはこちらへ研究にいらしている早稲田大文学部K教授と。聡明な女性というのはこういう方のことを言うのだ、というようなK教授にオックスフォード一古いといわれるBearというパブにつれて行っていただく。ステーキパイを食べたが、パイ皮をさくさくとビーフシチューに落としながら食べるこのメニューはなかなかのヒット。パブで先生にいろいろとご専攻の心理学についてのお話を頂いた後は、ハリーポッターの食堂ロケにも使われたクライストチャーチ、皇太子が通われたマートン、そして鹿のいる庭の有名なモードリアン。教授の特別パスがあるため、すべて顔パスで、ちょっと気持ちいい・・・2時間もの間、オックスフォード版「哲学の道」(モードリアンの教授専用の裏庭)や静まり返った裏道を歩きながら、「5月1日には春を祝ってあの塔の上で聖歌隊が歌って、その後に皆でシャンペンとイチゴでお祝いするのよ」などの様々なOxford Tipsを伺った。

Schoenberg
Variations for Orchestra, Op. 31 (23 mins)
Interval
Beethoven
Symphony No. 9 in D minor, 'Choral' (70 mins)

Christiane Oelze soprano
Birgit Remmert mezzo-soprano
Timothy Robinson tenor - please note the change of artist
John Relyea bass

City of Birmingham Symphony Chorus
Berliner Philharmoniker
Sir Simon Rattle conductor
そして夜はProms。本日はベルフィルとラトル。いやー生涯最高の第九とめぐりあってしまった。社会人の頃「これを聴かなきゃ年越せないんだよなー。音楽のさなかに1年間の様々な思いを去来させ、来年に向けての抱負を誓う!」と思いながら、年末となると必ずどこかの(N響が多かったが)第九に通っていた。真夏に戻ったこの日のRoyal Albert Hall(当然冷房なし)は満員の人で噎せ返っており、「この音楽にこの環境は、どうも調子が狂うな」などと思っていたが、いやそんな雑念は一音鳴った瞬間に飛んでいってしまった。このトンでもないホールで見るからに暑い楽服に包まれながらも、気温をはるかに上回る熱で、この人間賛歌を奏でてくれた楽団員たちの姿を前にしては、パンフレットでパタパタ仰ぐのも恥ずかしい。

第1楽章は、信じられないくらい抑制の効いた、それでいてそのスタートを聴いただけでこれから訪れる音楽の感動を予期できるかのような明確な意思をもった出だし。私が今まで聴いた中では一番ゆっくりとしており、それでいながら自在にテンポが揺れた第一楽章。今までも美しいと思っていた曲だが、今までの認識は10メートルも離れたところから「この図案と色合いは面白いな」と思いながらタペストリーを見ていたようなもので、今日そのタペストリーに初めて近寄ったように思う。一本一本の糸の素材の存在感、その糸の光沢に現れた歴史、細部の文様、そうしたものが言うまでもなく世界最高のオケのひとつであるベルフィルによって、一つ一つ解きほぐされていく。こんな曲だったのか。それでいて指揮ラトルのストレートかつパッション溢れる統制により、ディテールに終始せず、ディテールが絡まりあったことによって見えてくる絵も明確なメッセージを持っている。

2楽章は1楽章から一転してテンポは急に。ここでもソロの一つ一つの技術の確かさが、ともすれば空回りしそうな細かいソロメロディーを曲芸のように魅せてくれる。ティンパニの鳴る前の一瞬の間の緊張がたびたび観客席からの咳によって妨げられてしまったのはとても残念。細かいことは気にしてはいけないのだけれども、3楽章が終わり、4楽章との間に歌手の人たちが入場してきたときには拍手がおきてしまうなど、大々的な音楽の祭典であるPromsだからこその、通常のクラッシックファンは行わないような素直すぎる反応が見られ、それがちょっとだけ気になってしまった。

3楽章は普段眠くなってしまうが、もちろん究極の職人集団によって奏でられるゆったりしたメロディーは味わい深くて1、2楽章と絶え間ない緊張で前のめりに聴いていた心を休めてくれる。そして第四楽章のチェロの一糸乱れぬ呼吸、信じられないほど(本当に彼らの演奏は「信じられないほど」連発だ)、アルプスの山奥まで届き、それでいてどこかやさしい響きのする金管(トランペットの音色を「やさしく」感じたのは今回が初めてかもしれない。
そしてソロの歌のあとに始まった合唱がこれまた、只者ではなかった。あれだけの人数の大集団の心が一つとなっており、緩急の付け方から間のとり方までずばっと一致していた。ラトルはやはりカリスマ性の指揮者だと思う。一歩壇上から降りてしまうと、そんな気配は漂わないのに、曲がどんどん佳境へと進行するにしたがって彼を中心として「空気」が集まりそして発散されていくようだ。

細部によし、まとまりでよし。やはりベルリンフィルは私にとって世界最高のオケだと思う。9月末にはラトルではないがベルフィル&ハインティンクでマーラーの3番が聞ける。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2004/09/10 07:23:46 AM
コメント(4) | コメントを書く


Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

まだ登録されていません

Comments

 王様@ 潮 吹 きジェットw サチにバ イ ブ突っ込んだ状態でジェット…
 ボーボー侍@ 脇コキって言うねんな(爆笑) 前に言うてた奥さんな、オレのズボン脱が…
 リナ@ 今日は苺ぱんちゅ http://kuri.backblack.net/p-p-2zv/ 今…
 しおん@ ヤホヤホぉ★ こっちゎ今2人なんだけどぉ アッチの話…
 ヒゲメタボ@ クマたんと呼ばれてます(^^; 最近はこれが流行ってるって聞いたので …

© Rakuten Group, Inc.
X