鵜沼の山師

　夜、２１時過ぎのこと。玄関の天井に何かパラパラ落ちている音が聞こえてくる。石でも落ちるような音もする。ネズミの走る音でもないし、いったい何だろうとしばらく耳を澄ましていたが、わからない。ひょっとしたら屋根に何かいるのでは。猫なら音を立てることはないし、”どろぼうか？”。車庫の屋根に上がってライトを照らしたところ、玄関の屋根の上から顔を出したアライグマと視線が合ってしまった。アライグマはすぐに姿を消してしまったが屋根にいるのはわかっている。ほおっておくわけにはいかない。
そこでホースを持ち出し暗闇に向かってジェット噴射をしたところ、アライグマは屋根の端に向かって逃走。最後は逃げ場がなくなり、屋根からダイビング。降りたところはトゲの鋭いヒイラギの上。その後庭に転落し、あっという間にいなくなってしまった。毛皮があるとはいうものの、結構痛かったのではないかと思う。もうくるな！