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テーマ:ヘヴィメタルを語る(673)
カテゴリ:ディープ・パープルファミリー解説
私は30年来のパープル・ファンですが、前アルバム「バナナス」には結構満足していました。 再結成以降、私もしばら~く他の数多のファンと同様「昔と違う違う病患者」だったのですが(それは「初代ウルトラマン」の高質にしてシンプルな作品群に恋焦がれる構図に似ていた)、私も歳とともに好みが変化してきたのか要求水準が下がってきたのか・・(笑)。 トム・スウィックによるシュールなカバー・アートワークがなんとも期待させます。 CDをステレオにセットし、息を呑む・・。 やっぱりアルバムの一曲目というのは絶対大切だ。すべての印象の半分くらいを支配してしまいます。 おおお、すでに第二期の再現などは期待していないとはいえ、第一音の「ぶひょお~」というエイリーのキーボでたちまちにして名盤'LIVE IN JAPAN'の'SPACE TRUKKIN' 'のところの「JOHN LOAD・インプロビゼーション噴火口」の案内板前に立ったような錯覚を覚えてしまいました。 この一音は私に、奏者こそ入れ替わっていても、このアルバムはおそらくところどころに往年の演奏の雰囲気をちりばめてくるのではないかと予感させたのでした。 このアルバムがパープル消滅前の「パノラマ現象」にならないといいでしが・・(笑)。 1.Money Talks イントロは文句なしにカッコイイ。 ギランの歌がはいると「何となくいつもの何となくなパープル」になってしまいますが(笑)・・リフがいまいちなので曲をいじりまわしすぎという全体傾向の中にこの曲もあります。 ところどころBLACK SABBATHやRAINBOWになったりするが、皆さんいろんな過去があるから、まあ、ご愛嬌。♪ ♪Money talks to meのところのコーラスはいい旋律ですね。エンディングは'SMOKE ON THE WATER'ライブ・バージョン終わり方。わはは~。 2.Girls Like That さっそく水準作かな(笑)。 最近のパープルは曲に新鮮味がないだけ「演奏で踏ん張っている」という傾向があるかも。 「けなげな大御所状態」(笑)。誰かいいゴーストライターいませんかね~。 とくにギランの作はメロに魅力ありません。 3.Wrong Man これも曲の出来は水準作だけどモーズのギターが頑張っています。実に上手いです。が、こういう曲を聴くとやっぱリッチーとの違いを感じてしまいます。上手すぎるんですかね。 モーズは全部自分で弾いていることをテクニカルにコントロールしているのですが、リッチーは自分でも指がどこに飛んでいくかはわからない(無論手癖の範囲内だが)まさに「ギターのお筆先状態」(実際はそうでないかもしれませんが、そう見えるときがある)。このヘンがいまいちモーズ、ぶっちゃけないところかな。 4.Rapture of the Deep いきなりレインボー・モードの曲調。 これまたギターとキーボ全開。 なるほど、これがタイトル曲なのもわかる。でもここまでレインボーいいんでしょうか。 特に「虹を翔ける覇者」あたりに似てるぞ! ペイスのフィルインまで、コージーを意識したわけではないと思うけど。 特に二度目のギターソロでの劇的な展開はちょっと「ぐらっ」ときましたね。 5.Clearly Quite Absurd これは'BANANAS'では’HORNTED’あたりにあたるしっとり系ナンバーにあたる? この後半は案外'BEATLES'の'ABBYROAD'のB面あたりにネタがあったりして・・思わず♪She's so heavy~なんて歌いだしたくなるのは私だけでしょうか。思い切って初期ヒープHみたいに変えてしまう衝動にかられます。 このアルバムでは1.9.とともに私のベスト3。 6.Don't Let Go これも詰まんないリフだな~イントロのドラムがちょっとな~(笑)。 きっとメンバーがなにか懐かしのフレーズでもやらかしてくれるかな~と思っていたら上手な2人のソロだけが聴かせどころだったな~。 な~が多かったな~(笑)。 7.Back to Back ボーカルと同時に入るベースがもう少し'LIVING WRECK'みたいなヘビーなフレーズでかぶってくるとだいぶ印象が違ってくるのにと思います。 8.Kick Tomorrow Goodbye これも曲は詰まらない。相変わらずモーズとエイリーのソロでもっているようなものです。 9.MTV まるでもとパープルのグレン・ヒューズのソロアルバムにあるようなタイトなナンバー。 しかしなかなかいい。 ペイスが'SPACE TRUKKIN''での印象的なオカズ、スネアを8分、16分、32分と細かくロールを進めていくのを「自分本歌取り」しておちゃらけてみせております。 10.Junkyard Blues この曲を聴くとどことなく2期パープルの邦題「紫の肖像」思い出すのはなぜか? どこが似ているのか、あとで聴いてみようっと。 全体的なスペーシー感(あのアルバム、それだけはあった・笑)とホンキートンク風のピアノがそう感じさせるのか。 後半の浮遊感、かなりよし。 11.Before Time Began 第一期パープルとRAINBOWを合わせたような曲である(笑)。 前半のキーボの音もこの曲ばかりはジョンを彷彿させます。ベースもここではゴリッとっした音を出しています。 レインボーが少しづつアートロックににじり寄って、ボーカルもエヴァンスに交代とか・・。たはは・・。最後は一期基調のまま荘厳に音を閉じます。 全体的に・・うむ~なんとなく「モーズ・エイリーバンド」になりつつある(笑)。 サウンド的にはペイスのドラムの音がすこしパカパカしている点が気になります。 それから・・7.とかで特に感じるのですが、ベースのフレーズに'IN ROCK'のときのようなヘビーさ、切れがあったらアルバム全体だいぶ違っていたように思います。グルーヴ重視しすぎ。 これは再結成以来ずっと感じていたことなのですが・・。 そんなこんなで★★★+halfかな~。★★★★かな~。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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