|
テーマ:ヘヴィメタルを語る(673)
カテゴリ:スコーピオンズ解説
81年2月に北フランスでレコーディングを開始しましたが、クラウス・マイネが喉を痛めて歌えなくなるというトラブルが発生。
本人が「もう2度と歌えなくなるんじゃないかと絶望した」という位、重篤な症状だったといいます。 クラウスのいないスコピなんて・・、ああ・・とファンもやきもきしたことでしょう。 しかし彼は根気強く最先端の電気治療を重ね、症状は徐々に回復。 なんとか82年3月にアルバムをリリースするまでになりました。 (このころドラムのハーマン・レアベルが 1stアルバムを発表。いったいどんなでしょうね?・笑) この間メンバーの間にもゴタゴタが絶えなかったそうで、こういうときのアルバムはパワー半減、駄作となるのが通常なのですが、そこはスコピの底力、禍福はあざなえる縄のごとし、艱難スコピを珠にす(くどいか)。 なんとこのアルバムはスコピ史上に残る傑作という評価を受け、全米でもトップ10にチャートインするなど、アメリカでの成功も勝ち得たのです。まさに起死回生の一作。 曲が粒ぞろいでこりゃ売れるわナと思うのですが、私個人としてはサウンドにスコピ独自の陰影が薄く、やや平板な感触もあるのです。 しかしロック界の至宝、クラウスの復活は本当に慶事でした。★★★★。 1.Blackout アルバムのタイトルチューン、スコピで最も人気のある曲です。 ルドルフの刻むリフが切れる切れる。マティアスのスピード感あふれるソロよし。クラウスのハイトーンなヴォーカルにも翳りはみられません。始めから終わりまで、とにかく、タイト!シャープ!圧倒的な緊張感が途切れません。 2.Can’t Live without You 曲想はポップなのですが、特に後半、マティアスの狂ったように弾きまくるギターでスコピ色を主張。 3.No One Like You イントロ聴いただけでスグわかるスコピ節。耽美的ツインギターも先代からのお約束。 ここでもサウンドがもう少し奥深いといいんだがな~と思ってしまいます。 4.You Give Me All I Need スパニッシュ感のあるコード弾きに根性入ってる。 間奏のギターソロ、芸術点高し(スケートじゃないか・・)。 5.NOW! ここでも凄まじいギターソロが聴けます。このへんまで来ると、リズムセッションに変化というか聴きどころが欲しくなってきます。そうはならないところがスコピの伝統であり限界という気もするのですが・・。 6.Dynamite この疾走感、何だろう。そう、レインボウを思い出してしまいます。ドラムが「黄金のハードロックパターン」をひたすら続けるところ。ドラムにはここぞ!というところでシビレるフレーズを期待したいトコロですが・・。 7.Arizona ♪Arizona really was a gas この’gas’ってことがわからなかったけど、どうやら、「(略式語)とても楽しいこと」 ということのようだ。どんな曲かというと ♪はアア~アリゾナよいとこ一度はおいで、酒はうまいしネエちゃんはきれいだ、 ってな位のノリらしいです。 8.China White ツインでギターをかき鳴らす、ヘヴィーな作品。 ♪I’ts up to you からはまるでRAINBOWの「スターゲイザー」のよう。 もともとクラウスはヴォーカリストとしてロニージェイムズに似ておりますね。 9.When the Smoke Is Going Down 邦題「霧にむせぶ夜」・・古いか(笑) 正式には「静寂の煙」とありますね。これもちょっと・・(笑) この歌詞でわからんのは ♪I climb the stage agein this night ‘climb’とは「手足を使ってよじ登る」ことを指し、ステージに上がるくらいだとgo up toを使うものですが・・ステージによじ登る?stageのほかの解釈は(事件などの起こった)場所、段階(「次のステージに入った」などといいますな)などですが、歌詞の全体の流れにあわないし・・う~むむ・・まあ、どうでもいいか(笑)。 悪くないバラードなので、せっかくだからもっと盛り上げて大作にするテもあったのでは、という気もしますね。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Dec 14, 2010 05:48:59 AM
コメント(0) | コメントを書く
[スコーピオンズ解説] カテゴリの最新記事
|