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テーマ:今日聴いた音楽(75212)
カテゴリ:スティーリー・ダン関連解説
スティーリー・ダンという呼称はある時期から、特定のグループを指すのではなく、フェイゲンとベッカーという卓越した才能を持つコンビが、一流セッションミュージシャン達を曲ごとにとっかえ、ひっかえ、半ば使い捨てのように扱いながら、自分たちのイメージにある音をつむぎ上げていった、そうしたプロジェクトモデルを指すようになりました。
ま、この二人は「美食倶楽部」の「海原雄山」のような存在であります(ガクッ!)。 なかでもこのアルバムは彼らの最高傑作として知られます。 ドラムが曲ごとに入れ替えられており、私のようなアマチュアドラマーには「ドラム利き酒大会」も楽しめるのであります。 先日もGYAOでこの製作過程のビデオが流されましたが、彼らの音に対する感覚の鋭さ、記憶力のよさ、意見の一致することといったら・・。私は彼らの「フツーでなさ」に驚きの連続でした。 「これはもう一度きちんと聴きなおさねばならぬ!」 決心し、リマスターされたCDを買い求めたのでした。 今はこんな素晴しいアルバムが1500円くらいで買えるようになったんだからいい時代です。★★★★★ 1.Black Cow ライナーノーツにはディスコ調のファンク・ナンバーと書いてありますが、ちょっと違うかな(笑)。 ひねくれた歌詞はお約束としても、全体に何気ない毒が支配しております。 こんな曲で踊れるかあ~~~! このころすでにベースの大御所だったチャック。レイニーが渋くかつ表情豊かにキメていまる。ドラムとギターは曲ごとに代えるのに、ベースだけは彼が独占しているのはなぜでしょうか。 2. AJA バカラックの軽やかなラブソングのような横顔と遥か高くから鳥瞰するごときスケール感を持った不思議な曲。ドラムはスティーブ・ガッド。このころはまだ売り出し中だったか、場面によりかなり前面に出ますが恐ろしく数学的というか怜悧で的確なドラミングだ。 最後のカップ打ち主体のソロはこのアルバム中の白眉です。 3. Deacon Blues なぜかここのベースは監督のウォルター・ベッカー。 選手兼監督のハシリですな(笑)。 今後古田を見るたんびにDANを思い出すでしょう(笑)。 あっ、何を言ってるんだ。さて、 ギターはリー・リトナー、ラリー・カールトンて、凄すぎないすかっ!こんなさもない曲に!(あ、失礼・・)。 4. Peg ここでのギターソロはラリー・カールトンのソロさえボツになったとか。キビシ~!! 有名な話ですね。リック・マロッタがハイハットを数泊ごとに髪の毛一本程度開いて叩いていたというのは。 さらにビデオで確認すると彼はクローズド・ロールで裏打ちの一回ごとに「チチチチチ・・」とやっているので、そのあたった数泊でも微妙に音色の変化がでるはずです。これは当時のレコードでは再現されないでいる可能性が高いのですが、サテそのレコードはどこにいっちまったかな~。私は正直、言われればそうかな~という程度であります(笑)。 5. Home at Last メイキング・ビデオではドラムのバーナード・パーディが自信たっぷりに「ビートルズ、モンキーズ、フランク・シナトラなどのヒット曲は全部僕が演奏したのさ~」と吹聴していて、正直 「何だっこの高慢チキデブは!!」 と思わないでもありませんでしたが(笑)、 そのあとに「これがバーナード・シャッフルさ」とちょこっとプレイしてくれたのは、確かに凄かった。 16ビートシャッフルというのは難しいもんですが、彼の叩くリズムには32、64くらいまで再分割できそうな余裕、奥があります。参ったわ、コレという感じ。 あの鬼のフェイゲンでさえもまた、このハイハットサウンドをオリジナル・テープから再現し、「この推進力は素晴しいよ」と絶賛していましたっけ。 6. I Got the News ドン、チ、ドドというファンクのリズム。 ミュージシャン達は恐ろしく緊張していたでしょう。しゃかしゃかっとしたドラムはエド・グリーンですが、なんか自分らしさを出せずに終わってしもうた感もあります(笑)。 ディーン・パークスの、カリっと揚がったポテトチップのようなギターソロが彼らのお気に召したようだ。 7. Josie この曲、ゴキゲ~ンである。 チャック・レイニーのベースラインが凝っています。 「ドッデ、デデーデ。パオ~ン」てガキデカみたいです(古!)。 ドラムはリンゴのお師匠、ジム・ケルトナー。 キッチリ締め上げたタイトなスネア、 修道院のように開け閉めの厳格なハイハット、 ややラフで前のめり気味(良く言えばタイト)でのタイムのロール が「彼」ですな~。 16ビートで叩くところはゴミ箱の蓋とのことです。 【21%OFF】[CD] スティーリー・ダン/彩(エイジャ) ※再発売 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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