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テーマ:温泉について(1666)
カテゴリ:蔵王温泉(山形)
その名は「蔵王権現」に由来し日本最古湯のひとつに数えられる蔵王温泉は、西暦110年吉備多賀湯に発見され、蝦夷征伐で病んだ身体が完治したと伝えられ、また、山岳信仰の霊山としても古くから知られていた。
高原性の気候と強酸性の硫黄温泉のため 「子供を丈夫にする」 「肌を美しくする」 温まり湯として知られる。 フロント、料理を仕切るお婆さんを中心に、家族で経営しているような宿で、 なぜキャッチフレーズが「姫の宿」なのかは判然としないが(笑)、 蔵王温泉のウリは「肌をきれいにする姫の湯」だからまあいい。 蔵王温泉「高湯通り」のやや奥、共同浴場に隣接してひっそりと建っている。 裏から見ると、一度「新館」らしきものを継ぎ足した跡があるが、まあ、今となってはどっちもどっち。施設、設備について過剰な期待は無用だ。 むろん部屋は清潔に整えられてはいるが、いかんせん重ねた年輪がいやおうなしに語りかけてくる。 トイレ付の部屋もあるが、一人旅の場合やはり「なし」を充てがわれることが多い。 それはその日の運による(笑)。 窓からの眺望はあまりいいとはいえない。 目の前に共同浴場がデンとそびえていて曇りガラスごしに湯浴みのオバサンがたの話し声が聞こえてくる。 たぶん、三階の方はもう少し山並みが見渡せるかもしれない。 私はこの宿の「さもない感じ」が好きだ。 部屋に入ったとたんほのかな旅情とともに、何か「下宿屋に戻ったような・・」寛ぎを感じずにはいられない。 「突発性引き篭り症候群」持ちの私にはあまりゴージャスな空間は煩いだけだ。 一人きりだけで、一切の情報や信号から開放されてぽつねんとしていたい時が突然訪れてくる。 気が向いたら温泉街をかっぽらかっぽら歩き、まともそうな居酒屋に目星をつけたり、地元住民向けの雑貨やでガムなんぞ買ってみたり・・。 身体が冷えたら宿に戻って湯に身体を沈める。 何も考えないように、考えないように・・。 宿の湯は、広くもなくそう狭くもなく、鳴子温泉郷によくみる「湯小屋風」である。 眺望一切なし。ただひたすら、湯を味わう。底に湯の成分が沈殿しているので、 足で思い切りかき回すと、チョークの粉をぶちまけたように、真っ白になって硫黄臭が立ちのぼる。 この宿の美点は、まあ、飯坂温泉「橋本館」などにも共通するのだが、ほとんどの料理が手作りだということ。 しかもここではキノコ、山菜、山形牛など料金の範囲内ではあるがきちんとしたものを出してくれる。大広間で食べるので団体さんと出くわしたときは災難だが、まあそれも自分の運命と達観し(笑)。 いや、団体が来たときは喜ばないといけないのだ。 この、隠れ家がいつまでも元気で営業しててもらわなければいけないからだ。 以前、「ときどき混んでいないとき一人で泊まりに来たいですがいいですか?」と尋ねたらフロントの主である婆さんは豪快に言った。 「あー蔵王はいつでもヒマだがら!!」 (笑) いいな~、この圧倒的敷居の低さが!!(笑)。 こーゆー宿なので、★をつけることは適切ではない。 いきつけの居酒屋に点数をつけがたいのと同じ。旅なれた方、一度はどうぞ。 案外、嵌るかもしれませんよ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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