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カテゴリ:洋楽(ロック・クロスオーバー)
ストーンズがビートルズのフォロワーであることから脱却し独自の路線を確立した作品とされます。
私にはこの方針転換が誰によって、どのように行われたのかに興味があります。 というのはこのストーンズのサウンド確立は戦略として非常に鮮やかであり、企業戦略を考える上でもなかなかすばらしい成功事例といえそうだからです。 【CD】ザ・ローリング・ストーンズ /ベガーズ・バンケット<2002/11/9> 当時対ビートルズ戦略上は, ポジション=フォロワー(常にリーダーに少しづつ劣る立場に甘んじているポジションをいう。リーダーを脅かしうる対場であるチャレンジャー、少数マニアに受けるため非常に限定された分野で敵なしのスキルを提供するニッチャーがある) 弱み=作品の芸術性、メンバーの知名度、相対的に劣るベース技術(笑) 強み=ミック・ジャガーの歌唱力、相対的に優れたギター技術 という状況だったはず。ここでSWOT分析では当時の脅威と機会(チャンス)を分析するのですが、私にはこの当時のロック事情がわかりません。 こういう状況下でビートルズと差別化を図り別次元でのリーダーとなるには、「最高ロックンロールバンド」となる手しかありません。ビートルズが絶対にとバッティングしない「黒」のテイストを取り入れて・・。 まあ、考えすぎかもしれません。単に自分たちの嗜好を詰めに詰めた結果こうなったのかもしれないのですが。 私は40歳を過ぎるまで、ほとんどストーンズを聴いたことがありませんでした。演奏技術面でのサプライズがないと面白くないといった青年期からの傾向を引きずっていたのです。 今でこそこの味わいがある程度わかるようになってきた気もしますが、このバンド、テクを超越しているとはいうものの、いまだに上手いのか下手なのか見当がつきません。 故・中島らも氏などは「ストーンズはみんな下手だからバラバラにならずに長く続けられてそのうち味が出た」というようなことを書いていましたが、つい笑ってしまいます。 中学生くらいでストーンズに嵌る人もいますが、私にとってはとんでもなく早熟なことのような感じがしてなりません。 ★★★☆ 1.Sympathy for the Devil 大傑作!!アフリカの呪術を思わせるパーカッション、すうっとヴォーカルが入る瞬間から魅了されます。 ベースもドライブ感たっぷりで、切り裂くようなギターがエキセントリック。 初めてきいたときこのフーフーというコーラスが耳にこびりついて困ったものでした。車の中で安物のスピーカーで聴くと、音が割れて鳥の声みたいに聞こえてました。 2.No Expectations 仕事にも恋にも破れて町を去る男の心情を歌ってるんです・・よね。 You pack my piece of mindというの は、どう訳したらいいんでしょうか。 このあと日本のポップでもイヤというほど聴かされる 「やさぐれ」のタフさと優しさの表現の原型がここにあるかもしれません。 このいけてるスライド・ギターはBRIAN JONESですか。 3.Dear Doctor There's a pain where there once was a heart え~、お医者さん治してくれよ、痛むんだ、この胸がよう・・という曲です・・よね(笑)。 南部アメリカっぽさがぷんぷん。ウイスキーをストレートでやりながら聴きたい曲。 4.Parechute Woman こてっとしたブルース、オールマンがやったらどうだったでしょうか。 こういう曲を生粋のイギリスのバンドがやるのは当時どういうもんだったのだろうなんて考えているうちにあっという間に終わってしまいました。 5.Jig-Saw Puzzle ベースが割りと硬質な音でリードしてます。 ギターワークも手を変え品を変えこの曲の味付けに多大な貢献を。 なんかここでチャーリー・ワッツをウィキペディアで調べてみたくなりました。 そうしたら「チャーリーのドラミングは特徴的である。通常のドラマーは8ビートではハイハットを連続して叩き続けるがチャーリーにおいては左手でスネアドラムを叩く時にハイハットを休憩する。省エネ奏法である。」だと。ぶははっ。まさにその通り。 ベースのビル・ワイマン先生はどうか? 「該当するページが見つかりませんでした。」 わはは・。 6.Street Fighting Man Well then what can a poor boy do except to sing for a rock and roll band ロックンロールバンドで歌うこと以外、貧乏なガキに何ができるってんだ ド、ダ、ダ、という叩きつけるようなドラムから始まるイントロ。 いいねえ!この歌詞。ゴシゴシと耳が洗われるような感触です。 7.Prodigal Sun グラスルーツ的な曲。うちのサークルでもこういう曲専門のグループがありましたっけ。 あっ思い出した。 放送会社の企画で市内6つの大学12グループが駅構内で対バン選をやったことがありました。うちの大学は1位と3位を獲得。こういうグラスルーツをやった4年生バンドが1位、私の2年生グループが3位でした。ああ、思い出して悔しくなった。ストーンズの話には全然関係ありませんが・・。 8.Stray Cat Brues 「Stray Cat」とは「野良猫」。この頃のロック・シーンの曲の雰囲気を代表している感じがする。私がギターを演奏するとしたらこの曲なんかやってみたいな。すぐできて、しかも上達に応じて奥深くできそうな気がするではありませんか。 Hay Joeっぽい展開例も考えうるし。 特に後半のアレンジはクラプトンのブラインド・フェイスに影響与えたかな?。 ワッツ先生、なんで「ドンタドッドドン!」というお決まりのオカズなのに、最後のあたりときどき前のめりになるかな~。へ、ヘタなのでは・・。 あ、これはドラマー同士にしか通じない話か・・。 9.Factory Girl Factory Girlは「工場で働く女」でいいのでしょうか? 次の「地の塩」と同様、社会派的なメッセージがこめられているという風に、単純に受け取っていいのかどうか。 10.Salt of the Earth この曲を訳すのにはHGっぽくせまるのがいいのでしょうか? (賞味期限切れ) Lets drink to the hard working people 重労働のツワモノども、フォー! Lets drink to the lowly of birth 低い身分さ、フォー! Raise your glass to the good and the evil 善人、悪人、フォー! Lets drink to the salt of the earth 地の塩の者ども、フォー! ってな具合に(笑)。 Raise your glass to the good and the evil というあたり、日本の仏教あたりに通じるものを感じてしまうのは私だけでしょうね。善人なおもて往生をなす・・という思想。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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