|
テーマ:今日聴いた音楽(75207)
カテゴリ:スティーリー・ダン関連解説
このアルバムは、一般にはバンドとしてのスティーリー・ダンからオールスター的スタジオプロジェクトへの「過渡期のアルバム」との評価を受けることもあるようですが、私は彼らの最高傑作のひとつだと思います。
★★★★+half。 1.Black Friday このノリノリのギターはベッカーが自ら弾いているそうです。 これだけ弾けるのに、なおかつ自分のイメージを実現するために他のギタリストを起用するというのは・・凄い。 このアルバムの製作にあたっては当時21歳のポーカロも自信喪失に陥ることが多かったらしいです。 後年の彼の名声を考えると信じがたいことですが、このシャッフルの曲でも「自分よりジム・ゴードンのほうが、うまくできると思うよ!」と途中で癇癪を起こしたというエピソードがあるといいます。 こういうシャッフルはポーカロのオハコだと思っていたのですが、当時のミュージック・シーンがうかがえて、面白いものです。 このアルバムにベーシストは3人参加しており、Walter Becker(!), Chuck Rainey, Wllton Felderのうちこのテイクは誰の手によるものでしょうか。 軽やかなシャッフルのリズムに乗せて難しいフレーズを余裕で弾きこなしています。 2.Bad Sneakers 名曲"AJA"にも通じる爽やかなイントロから始まるフェイゲンのひねたヴォーカル。 ここのギターソロもいけます。 3.Rose Daring 「可愛いローズ」なんてベタな邦題がついていますが、まあ、いいですか・・。 どことなく古き良きアメリカのポップミュージックのエッセンスが感じられます。 といってもその方面は全然門外漢ですが。 4.Daddy Do'nt Live in that NEW YORK CITY No More このギターのひねくれたリフ!いいですねえ。 のたりのたりしたリズムが独特。 5.Doctor Wu 「オフィシャル・バイオグラフィー」にあるDonald Fagenのコメントはこうです。 ちょっと訳してみると・・ 「 "Doctor Wu"とは三角関係についての曲なのさ。一種の愛の麻薬の三角関係だ。 普通僕達がロマンティックな曲を書こうとするときにいつも思うんだ、ある良い関係にある相手方・・一人でもそれ以上でも・・が誰か違う生き方の人間を影響をすっかり受けてしまうと、普通(これまでの関係は)なんらかの妥協か分裂ということしかしかなくなっちまうということをね。 この曲では一人の女性が違う種類の人生を送る誰かに出会い、惹かれる。それから彼女はその誰かの支配の下に入る。それはある関係性の結末か、あるいは関係性の修復をもたらす。このような曲を書き始めると、いつもこうなってしまう。 この曲では「誰か」とは麻薬常習が擬人化されたドクター・ウーを指したものさ。「ハイチの離婚」では、それはホテルのジゴロ。"Through With Buzz"ではあいまいになっているが、パターンは同じものさ。」 フィル・ウッズのアルト・サックスがすばらしいグルーブを出しています。 Are you with me Doctor Wu Are you really just a shadow Of the man that I once knew She is lovely yes she's sly And you're an ordinary guy Has she finally got to you Can you hear me Doctor 6. Everyone's Gone to the Movies ビートルズの'Sgt.Pepper's'あたりに入っていそうなちょこっとシュールなナンバー。 そう、Being for the Benefit of Mt.Kateって感じ。 こちらはMr. LaPageでございます。 Kids if you want some fun Mr. LaPage is your man He's always laughing, having fun Showing his films in the den Come on, come on Soon you will be eighteen I think you know what I mean Don't tell your mama Your daddy or mama They'll never know where you been なんか怪しげな映画なんだな・・。Cpme onのところのブラスも胡散臭さ全開であります(笑)。 7.Your Gold Teeth この曲もリズムセッション泣かせの超難曲で、OKがでるまでポーカロも相当練習させられたといいます。 この曲とかはビッグバンドのジャズドラマーの方がとっつきやすかったでしょう。 ハイハットプレイの音に、後年のポーカロ・サウンドの片鱗がうかがえますが。 また、鋭く切れ込む左手2連のオカズなどは、さすがよくタイムが取れるものだと感心。 ピアノ、ギターの演奏もまさに入魂。 8.Chain Lightning この曲ではジム・ゴードンがシャッフルをプレイしている "Pretzel Rogic" を思い浮かべていたとポーカロはのちに述懐しています。 ハイハットシンバルがサクッサクッと入る、こういう曲を聴いていると、酒を飲みたくなってきますね(笑)。 この曲をB.B.キングが弾いたらどういう感じになるかなあ、なんて思いながら聴きました(笑)。 「キングさん・・、悪いけど・・使えないです」とはさすがの2人でも言えまいとか、くだらないこと考えてしまいました(笑)。 9.Any World この曲だけドラムをハルがプレイ。 生真面目なコーラスがいい感じです。 10.Throw Back the Little Ones うむ~この独創性あふれるイントロで、すでに別世界に入りこみます。 ギター、キーボード、ブラスなどが織り成す奥の深い世界・・。 最後のピアノのクラシカルな響き。 何気ない歌詞だがアドウェアのように(笑)アタマに張り付いてしまう恐ろしい曲であります。 【21%OFF】[CD] スティーリー・ダン/うそつきケイティ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Dec 11, 2010 06:34:18 PM
コメント(0) | コメントを書く
[スティーリー・ダン関連解説] カテゴリの最新記事
|