リー・リトナー/キャプテン・フィンガーズ
フュージョン界を代表するギタリスト、リトナーのソロアルバム第二弾。
1975年のソロ'FIRSY COURSE'を発表するまでに50枚以上のセッションワークで名を上げてきたギター職人、リトナーが自分らしさを全開したアルバムといわれる。
ダイレクト・カッティングのLPレコード、'GENTLE THOUGHTS’を聴いたことがあるので同名のタイトル曲は「ちょっと大人しすぎるかな」という印象もあったが、さすがリトナーのアルバム、聴けば聴くほど味わいが出てくる。
そう、このアルバムではリトナーが360 System Polyphonic Guiter Synthesizerを使用しているのであった。
★★★★★
1.Captain Fingers
出だしのキメで秒殺される。ナニコレ!
アマチュアバンドには超難関曲。
高度なキメとメリハリ、全てがハイレベル。凄腕のミュージシャンが集まっているのはすぐわかる。
ベースにはなんと名手ALPHONSO JOHNSONとANTHONY JACKSONがクレジット。
どっちがどうだかわからないけど(というか一人でやってるようにしか聴こえない)、とにかくウネリながらドライブしているし、HARVEY MASONのドラムのサクサクッとした、どんなフレーズでもゆとり感のあるドラムが凄い。 うむ~、心の赴くまま叩きまくっております。羨ましい。
私だったら譜面もらって10日以上特訓しないと、曲の体裁にもならんと思う(笑)。
ところどころキュイッ!と顔を出すシンセもいいフィールだ。
フュージョン好きな方は必聴の一曲。
2.Dolfin Dreams
中南米あたりの海岸で、波にキラキラ反射する強い日差しを楽しみつつまどろんでいるイメージが浮かぶ。
バカンスに行くときにこの一曲を持っていってバルコニーで潮騒とともに味わうという手もある。
ギター・シンセのプヨポヨという音色がまどろむイルカ達の寝言を現しているようにも聴こえる。
そういうゆったりした中にも、なぜかミュージシャンたちの尋常でない緊張感も感じるのであった。
3.Fly by Night
作曲はDAVE GRUSIN,いかにもそんな感じ(笑)、シンプル、軽快。
でもナベサダのアルバムにあってもおかしくないかも。
ソリッドなサウンドにのせてリトナー、ゆったり弾きつつなかなかビミョーな表情もみせている。これがリトナー節というヤツか。
4.Margarita
タイトな16ビートの曲。
この曲、演奏してみたい。
’FINGERS’はうかつに手がでないけど。
しかしリズムセッション、上手いなあ~~。
ビシバシカメラです(なんのこっちゃ)。
HARVEY MASONのドラムは4wayの音の強さのバランスを自在に配分できるところが凄い。ハイハットならハイハットだけ倍の力でたたいて他はそのままとかね・・。
5.Isn't She Lovely
STEVIE WONDERの名曲。
天才リトナー先生が大好きな曲なのだろう。
なんでこれが邦題になると「可愛いアイシャ」になるの?だから私は邦題って大嫌いなんである。
テンション高し。
後半のギターソロなんて、HRギタリストもマッサオの弾きまくり。
しかもエフェクターに頼らずともなんでもできるからね。
ドラムはJEFF PORCARO。いかにもだな~。
6.Space Glide
このファンキーな出だし。
ちょっとベックのBLOW BY BLOWのイントロを思い出した。
ブラスがふお~んと尻下がりするところがビミョーな味わいだ。
リトナーのソロでの細かい音符の割付、音色管理も見事。
ギタリストの専門用語はわかりませんが(笑)。
速いフレーズもずいぶんと余裕かましている。
途中のサックスとパーカッションだけになる場面が好きだ。
7.Sun Song
最後はしっとりとしたアンサンブルを聴かせる。
部屋の照明暗くして、ちょっとカクテルとか飲みながら楽しみますか。
(バーに行けよ!ってか)