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カテゴリ:遠刈田・鎌先・小原温泉(宮城)
以前、ブログで「今度一人で行ってみたい旅館」と書いていた「湯主・一條」に泊まることができたので報告したい。 ・・鎌先温泉は宮城県の誇るレトロなユートピアであった。 なぜ鎌先かというと・・今を去ること600年前、一人の農夫が前燈貝森の辺りで水を求め沢辺に降り、持っていた鎌の先にて木の根、岩角をかき分けたところ、白煙立ち上るいで湯が湧き出したという。 ・・・喉が渇いていた農夫はどうなったのか?(飲泉不可だぞ)、 ・・まあ余計な心配はいらんか(笑)。 農夫は主人とともに湯小屋を設け、湧き口の上に薬師の祠を建て地主神とともに祀った。「鎌先温泉」の名は、このことに由来するという。(参考:一條旅館の案内ブックより) 鎌先温泉は「はたご」の趣を残す建物が立ち並ぶ風情あふれる温泉街。 そのランドマークと言えるのが一條旅館だ。 大正末期から昭和にかけて建てられた、木造一部4層の本館。これに、昭和に建てられた木造の別館や鉄筋の別館などが空中通路で繋がり、なんとも特異な景観を形成している。ちょっと圧倒されますよ。 この宿の戦略はこの古めかしさを強みに変えることだ。 湯治の部も残してはいるが、宿泊の基本は別館で快適なアメニティを保ちつつ、食事などは本館を個室料亭に使い、レトロな雰囲気の中で美味しい料理を食べていただこうという趣向。 別館から木造本館にわたった瞬間、「大正SWEET MEMORIES」とでも呼びたくなるような甘美な世界が広がる。 その料理がまた手の込んでいることったらない。食材を大変に吟味して作っているのが伝わってくる。そして頃合を見計らって、これもひとしなづつ持ってきてくれるのだ。 2006一條夕食1 posted by (C)オフミ 2006一條夕食2 posted by (C)オフミ ここでお品書を紹介しよう。なんと、これだけのものが出た。 1.食前酒 自家製梅酒 1.先附 汲み上げ湯葉 1.前菜 百合根豆腐 蟹 おくら 岩茸 鴨ロース 地浅月 筍 独活 蕗味噌和え 根三つ葉 絹酢がけ こごみ胡麻よごし 1.お造り 真子鰈菜種造り 鮪 妻いろいろ 1.合肴 最高級霜降り仙台牛陶板焼 1.蓋物 京芋饅頭 巻海老 筍 蕗のとう 1.焼物 鱈と帆立のガレット じゃが芋のスープ仕立て 蕪 ミニキャロット 細根大根 ブロッコリー 1.鍋物 豆乳しゃぶしゃぶ 宮城野ポーク霜降りレッドと 地の野菜を添えて 1.強肴 軽くマリネにした鱒と山菜のサラダ仕立て うるい たらの芽 姫竹 アンディーブ 独活 ラディッシュ そら豆 ルッコラ 1.ご飯 宮城のひとめぼれ 1.香の物 三種盛り 1.止め椀 けんちん汁 薄葛仕立て 1.水菓子 ラフランスのジェラード 苺 キウイ ミント なんと贅沢な味わい。 朝ごはんも非常に豊かで、白石うーめんの小鍋仕立てもあり、最後になんとコーヒーと自家製ヨーグルト。・・ちょっと良すぎないかい・・。 大浴場は2箇所あり、古くからの「薬湯」こちらはすこしレトロな味わい、新館の方には窓の大きな開放的な内湯と、裏山や蔵の風情を楽しめる露天がついている。 いわゆる大自然の懐に入ったような豪快な露天ではないのだが、やはりこれもちょっとした風情。どことなく心地がいいのだ。 (写真は旅館HPのものを加工) この宿の最大の美点は、従業員の方々が「ホスピタリティ命」でにこやかに、きびきびとサービスしてくれるところだろう。皆さん、「湯主・一條」で働いていることに誇りを持っていらっしゃることがよくわかる。 ただの「笑顔」ではなく「上機嫌な笑顔」。しかも「一人残らず」。こういうことはなかなか実現しないものだが、やはりこのホスピタリティあってこそ、風情ある建物や際立った料理や気持ちのいい温泉も生きてくるのだろう。 2006一條部屋から1 posted by (C)オフミ とにかくホントに良かった。 こういう宿がわが宮城県にあるというのはとても嬉しい。 ★★★★★・・・!!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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