オフミの温泉メロディ

ブラックモアズ･レインボーの最高傑作はこれか？

このバンドはこのアルバムから大ブレイクしました。

ブラックモアが手っ取り早くバンドを始めるためにバスジャックしたＥＬＦでしたが、イマイチ･･アルバム一枚出しただけでメンバーの力量をさっさと見限り、ボーカルのロニー・ジェイムス・ディオを残し全員馘首。

ロック界のカルロス・ゴーンのここでの大当たりは、ドラムにコージー・パウエルを獲得できたことでしょう。

圧倒的ともいえる人気を誇るドラマーですが、彼の上手さは、「自己プロデュース能力」。
自分の出す音色、自分の叩く姿見・・そのポリシーをここまで徹底できたドラマーはこれまでいませんでしたね。

「小細工は不要！」というイサギよさはある意味、武士道にも通じます（？）。

私にとっては、正直あんましムチャ好きなドラマーではありません。

私は「演奏聴きながらフレーズ、手順を勉強させていただく」というスタンスなので、「ひたすら剛直に黄金のハードロック・パターン」を力強く叩き続ける彼のようなマッチョドラマーはちょっと・・ではあるのですが（ジェフベック・グループでのプレイを聴くと、実はかなりテクのある人だというのがわかります）。


キーボはアルバムジャケではアゴの長さで強烈な個性を放ったがこれまたカレイな転身となった（泣）トニー・カレイ。
悪くはないなと思うのですが・・。

有能な人材を採ることの難しさ・・カイシャの人事の方々の苦労も伺われるのでありました。
このアルバム、全体的に良くできているとは思いますが、ベース出番なさすぎです。

もっともこのリッチー殿、その後のベーシストの末路を見ても
―遠慮してると
「ええい！気の回らぬヤツめ、そこに直れいっっっ！」
と首を刎ねられ、

―少し全面に出ると
「ふうん、出すぎたマネを・・切腹を命ず！」
と織田信長以上にどーすりゃいいのか思案橋状態だったことは想像に難くありません。

２期パープルのロジャーは結構持ちましたが、彼の場合元２期パープルというネームバリューとポップな曲を書けるという二つの要素で首が繋がっていたようです。

しかし、後のリッチーのインタビューでは、
「ヤツのプレイは、まったく退屈だったぜ」
これだもんな～。

　確かに'IN ROCK'でのアグレッシブなベースから、どうしてこんなに人畜無害状態になってしまったのか、私にも理解しかねるのですが・・。

　当のリッチーのプレイだが、私にはそんなにいいとは思えません。

　このレインボーになってから、のびのびと自分の思うがままのプレイをしているように見えて、その実自分の発想力の限界の牢獄に押し篭ってしまったかにも思えます。

　それでも★★★★＋halfか。
　
1.Tarot Woman

　このシンプルで確信に満ちたドラム、えーです。
　イントロのキーボがはやアルバム全体の世界を語っています。
　
2.Run with the Wolf

　こういうナンバーを聴くと、ロニーがギランとカバーデイルのいいとこ取りをしているような気がしてくる。

3.Star Struck

　キメでのベースがタノモシイ音を出していますが、それ以外ではどうも出番なし。
　ベース、キーボがどうも出番を抑圧されている印象を受けます。

4.Do You Close Your Eyes

　ギターのイントロが、ちょっと「イン・ロック」を想起させます。
　まあ、サモナイ曲なのですが、ここではデビカバが歌ったほうが味が出たかな？？

5.Stargazer

　イントロのドラムソロと後半のオケ、この二つがこの曲の成功を決定づけていました。
　山あり谷あり。やっぱ名曲です。なんべん聴いても感動します。

6.A Light in the Black

　この曲は前曲とつなげてひとつということらしいです。　
　絶望の中に一筋現れた光明。
　しかし、このリフの芸のなさはどうでしょう・・。
　レインボーの代表作とひとつと一般的にみなされていますが、このリフを聴くと私には
「困ったよ困ったよ・・（リフのアイデアがでなくて）」としか聞き取れないのでした（笑）。
　
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