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テーマ:ヘヴィメタルを語る(673)
カテゴリ:ディープ・パープルファミリー解説
ある日喫茶店でスピード・キングを聴いたのが運のつきだった。
ロックの神様が後頭部をスリッパでひっ叩いて去っていった。 頭の中のモヤモヤがすべて吹き飛んだ。 交感神経が興奮し、新陳代謝が活性化し、冷え症が治り、お肌がつやつやになった。 「き、近代ロックの幕開けだ・・」 その日からパープル信者になってしまったのです。 信仰を広めようと努力したが、みんなすでに信者でした。 聴いていた場面、並んでいた顔を思い出すと、それはたぶん高校2年生のときでした。 このアルバムで特に素晴らしいのはロジャー・グローバーのベースの「押し出し」です。 これが仮に「グルーブ重視型ベース」だったら、ちょっとギターがかっこよくてボーカルがすごいネで終わっていたかもしれません。そのくらいこの「巌のベース」が重要なのです。 ああロジャー、どうしてある時期からご隠居になってしまったのか・・。 無論イアン・ペイスのシンコペーションを多用した手数の多いドラミングも不可欠でした。 ああペイス・・くどいか。 ギラン、リッチー、ジョンの素晴らしさなどは言うまでもないでしょう。 それぞれ特殊装備を備えた5人の妥協を許さない全力バトル。 ゴールを目前にパス回しをするものは誰もいません。 恨みがましいか(注:2006年6月14日原文作成)。 スタジオ版ではより音がソフィスティケートされた「 MACHINE HEAD」が最高傑作との評もありますが、あのアルバムは6速トップギアで高速道路をスッとばす快感、こちらはセカンドギアをフル回転にして峠道を攻める快感です。 とにかく★★★★★。 1.Speed King イントロ、のタッ、デーデで満塁ホームラン。 何べん聴いても凄すぎる曲です。 当時歌詞に一部フランス語が入っているのはなぜか聞き取れました。 中坊時代にシルビーバルタンが好きだったからでしょうか。 初心者バンドにはコピーしずらいリズムでしょう。 特に中間部のジャジーなアレンジは手も足もでないでしょうね。 ドラムのロールも速く余裕を持って叩かないとテンポがワヤになるし。 2.Bloodsucker このOh! NoNoNo~のシャウトを聴いて、こいつはとんでもないボーカルだぞと思いましたっけ。 友人がマシン・ヘッドのジャケに載っているギランの写真を指差し、「こいつだよ。いかにもロックって顔してるだろ」と言いました。 私はいかにもロックって顔をしていなかったので演奏以前にこの顔を不敵に見せる方法はないものかと、そんなことを真剣に悩んだものでした。これも素晴らしい作品だ! 3.Child in Time イントロのキーボの音は、これじゃなくては絶対にいかんかったでしょうね。 ところで全く同時期にウィッシュボーン・アッシュが「Phoenix」という後半がなにげにこの曲とクリソツなのを発表しています。あのライブでも見事に合わせてみせる3・3・3・4のキメまで同じなのですが・・。 まあいいか。 このときはギランもリッチーも最高に輝いていたなあ。 4.Fright of the Rat このアルバムの美点は、一曲たりともダレたのがないことです。 ここではイアンペイスの切れのいいドラムが満喫できます。 この速いシングルストローク、机上ではできるけどはたしてステージではできるかなっ?おまけにスタジオ版なのに、短いドラムソロまで入ってるし・・。 ギターはテク、アイデア、オト全てがすばらしい。 5.Into the Fire これもヘビーロックの手本のようなオトづくり。 こういう曲ではギランのボーカルの美点が最大限発揮されます。 もうちょっとドラムのハイハットの音を大きくすれば・・とも思うけど。 リッチーの出すオトが乱暴に見えて一音づつ丁寧です。 6.Loving Wreck 残響をおもいきり効かせたドラムが印象的でしょう。 ここではリッチーのカッティングが光ります。うまいギタリストだな~。 吠えるオルガンも実にカッコよろしい。 今のパープルもこんな曲調のものがひとつでもあれば・・と思うのですが・・。 7.Hard Lovin' Man しかし、ぶぶぶ・・このタイトル・・Hard Lovin' Man・・。 男の理想です(笑)。 まったく最後まで聴くものに楽をさせない、終わったかと思うとまた盛り返してくるし・・これぞ男の・・もとい、ヘビーロックのカガミです。 とにかく体重を減らしたい方にオススメですっ!! /////////////////////////// お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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