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テーマ:今日聴いた音楽(75212)
カテゴリ:ディープ・パープルファミリー解説
18日の日本―クロアチア戦、柳沢のシュートミスを見てBBCの試合中継中の簡易投票で78%の人が柳沢のゴール前のスライスはここまでの試合中最悪のミスと答えている。
Player Rater In a snap poll of Player Rater users, 78% say Atsushi Yanagisawa's slice in front of goal was the worst miss of the tournament so far. 動画を何べんみても本当に信じられないプレイだ。 目の前に「いらっしゃーい」とぱっくり開いているゴール。まわりに誰も邪魔をするものがいない。 ただただ、ぽん、とボールを前に転がすだけでよかった。ゲームも勝っていた。 なのに柳沢はあろうことか、あたかもディフェンダーがクリアするかのように、まったくあさっての方向に力をこめてボールを蹴ってしまった。 世界中が注視している大舞台で・・。 このことに対する彼へのバッシングは凄まじい。 特に日本での憎まれようは、ネットのいたるところに見出すことができる。LIVEDOORでは「柳沢敦」というキーワードまで特出しになっているほどだ。 ま、よってたかって袋叩きという状況である。 彼はほとぼりがさめるまで帰国しないほうがいいかもしれない。 私はこのミスを一種の極限的状態におけるパニック障害のようなものかと見たが、そのことをうんぬんするつもりはない。 私は、この試合とその後の反響を見ていて、このような 「これ以上ない大舞台、これ以上ない瞬間で大失態を演じてしまった人」 という点で、トミー・ボーリンというディープ・パープルのギタリストとの共通点を見出した。そしてミョーに柳沢に同情してしまったのである。 トミーの事例では・・。 1974年かな。パープルの人気が特に高い日本。その東京でのコンサートの直前、彼はなんとヘロインでラリって寝ているうちに左手をすっかりマヒさせ、ギターが弾けない状態になってしまった。 休演にすべきだったが、パープルファンをなめていたところもあったかもしれない。 のっけから、誰が聴いてもアラの見て取れる演奏。 スライド・ギターのテクでだましだましリードをとっていた彼だが、HIGHWAY STARというパープルファンなら誰もが心待ちにしているナンバーで、大破綻をみせる。 この曲はリッチーのあみだした絶妙のギターソロフレーズが特に魅力があり、いわばコンサートのハイライト中のハイライトなのだが、そこで彼が展開したソロは・・ そう、あの柳沢が放ったシュートにそっくりの素っ頓狂なプレイだったのである。 「素人のオレのほうがうまいぞ!」誰もが、そう思った(この部分も似ている)。 トミーの場合も、不運がそれに追い討ちをかけた。 彼はパープル解散後、ヘロイン中毒でこの世を去るのだが、悪徳商売のレコード会社がこの悪夢のテイクを「追悼盤」と称して発売してしまったのである。 そのために彼は「信じられないくらいヘタなギタリスト」の汚名を死後も背負い続けることになったのである。 そのへんのことは以前、昨年12月の日記でもふれたことがあり、参照していただきたい。 http://plaza.rakuten.co.jp/rockohumi/diary/200512300001/ しかし彼はマハビシュヌ・オーケストラの伝説のドラマー、ビリー・コブハムがソロ・アルバムに彼を起用したほど素晴らしいギタリストなのだ。 彼の「SPECTRUM」における、ロックの境界を切り開くような創造的なプレイに触発されてジェフ・ベックが「BLOW BY BLOW」や「 WIRED」を生み出した といえばその凄さが伝わるだろうか・・。 考えてもみてほしい、そもそもそんなにヘタなプレイヤーだったら、天下のディープ・パープルが彼をスカウトするはずがないだろう!! 柳沢だってそうだ(ちょっと強引)。 あそこのプレイは確かに「喝!」以外の何物でもないが、そんなにダメな選手だったら、いかにジーコが頑固だといっても全日本のレギュラーを張ってられるはずがないのである。 プレイを憎んで人を憎まず・・。 トミーの事例をみて学習したことである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jun 21, 2006 07:14:50 AM
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