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テーマ:洋楽(3359)
カテゴリ:ジェフ・ベック解説
私は「THERE AND BACK」からこのアルバムに直行したので、その間のファンの方々の落胆は知らずじまいだった。FLASH!はファンの人から気に入っている曲だけを送ってもらったのでそのヒドさが実感できないのだ。 その点、この「GUITAR SHOP」は、一般にかなり評判がいいアルバムだ。 確かに一曲目の雰囲気からして、ちょっと「いい加減につくったサウンドではないな」というのがわかる。あとは、このオト作りが好きかどうかである。 正直いうと、私としては実はあまり好みのオトではない。 トリオで演奏していることから生じる空間が良いという人がいる。テリー・ボジオのドラムサウンドがいいという人がいる。 私としてはまずベースがないのはやっぱり寂しい。 ボジオのドラム、パワフルで重量感があるのは確かだが、機械的で打ち込みっぽく聴こえる。 私はルーディメントや手足のコンビネーションを効果的に使った奏法のミュージシャンが好きなのだ。 また、トニーハイマスのピアノが、今ひとつグッとこないのだ。 8曲目のTwo Riversのようなほのかな味付けで魅力がでるプレーヤーなのか。 そして何より、インスト3部作に比べ、やはり曲そのもののの出来が決定的に落ちる。 「何べんも聴いていれば好きになるかもしれない」と思い、5回ほど連続して聴いてみた(疲れたー!)が、やっぱり駄曲が多いとしていいようがなかった。 その代わり、ますますベックのギターワークの良さが聞き取れるようになり、耳に染みてきた。 どの曲を聴いても、そこに行き着く。 ナルホドね、だから「GUITAR SHOP」なのか・・。 ★★★ 1.Guitar Shop アルバム全体の導入部というか、そういう位置づけの曲かな、と思っていたらなんとアルバムのタイトル曲。 それにしては何かな~。 中盤のデー、デデーデーデーから「曲」らしくなってくるが、今ひとつよくわからないのであった。好きな人は好きだろうな。2が度肝を抜くような作品だったらこの1.がもっと生きていた。ギターの弾きっぷりは素晴らしい。 2.Savoy カチっとしたシャッフルのナンバー。悪くはない。が・・。 6番目あたりに入っていれば「なかなかいいな」位は思うのだが、この程度の曲が2曲目というところにこのアルバムの限界がある。 ピアノは聴き応えがあるかな。 3.Behind The Veil まだそれほど盛り上がっていないのに、もう「たそがれ曲」かい。という気になるのは私だけであろうか。 これも7曲目あたりに置きたい・・って野球の打順決めてるみたいになってきたな。 4.Big Block これは比較的ベックの曲らしい。ボジオがスイッシュシンバルのようなものを裏打ちするあたりからの中盤のギターソロがイカしている。その後のキメというかブレークが耳で聴きとめられないくらいの素早さ。 5.Where Were You どこかの国の民謡のようなフレーズ。この静けさも、他がバッチシだと生きるのだが・・。 ギターの音色は「名湯の源泉かけ流し」のようだ。 6.Stand On It この曲は、ホンダアコードのCMに使われた。 始めのリフで最後までいったら怒るぞ!と思ったがちゃんと展開を考えていたので、これはまあよしとするか。 ギタープレイの煌めきはこの曲が一番? 7.Day In The House これもあまりというか全然好きではない。何をしたかったのか・・。 「スネークマンショー」 のコントの合間に入れると合うなと、何となくそう思った。 8.Two Rivers この曲が一番気に入っている。 環境音楽的な感じがないではないが、特にキーボードのサウンドが美しい空間を創っているように感じる。特に中盤以降、徐々に微妙に風景が変わっていくような感覚がいい。 9.Sling Shot なんという単調な曲!! つまらん。これはラストナンバーなのでもうちょっと何とかならなかったものか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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