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テーマ:旅のあれこれ(10256)
カテゴリ:海外情報
ブラジルで、移住した日系人とその子孫たちが毎年、日本の「七夕まつり」を開催しているのをご存知でしょうか。
これは私の2003年夏の追憶です。 /////////////////////////// 「リデルダーデ街」という大きな通りをはじからはじまで全部使って、盆踊りのような櫓も立ててなかなか盛大だ。 地域の祭りというには大きく、「サンパウロの風物詩」というほどではない、そんなイベント。 会場に着いたときは、ヒップホップに合わせて数人の高校生が暗いステージの上でもじもじと踊っていて、それがいつま~でも続いている。 「やるならやる、やらないなら始まる時間を告知してくれっ!!」 と私は思った。 ステージには「ミス七夕」なども並び、準備は万端なのに・・。 突然ステージに電気がともった。 イベントが予期せず始まった。 おっ、まあまあの日本語だ。 「ただいまより●●からおいでになりましたご来賓の●●様より・・」とナレーションとともに一礼し、マイクに向かう挨拶者。 「え~このたびは第何回のサンパウロ七夕祭が盛大に開催され~」 と人が快調に話している最中に、今度はスピーカーから大音量で 「♪ちゃんかちゃんかちゃんかちゃんか~」 と「七夕音頭」が流されはじめた。 この音楽に合わせて次の踊りのグループが飛び出す趣向なのだ。 「あ~音楽始まっちゃったよ~オレ出番間違えたかな??このまま挨拶を続けるべきか、次の行事に場を譲るべきかっ・・」 とご来賓も心の中では葛藤があったに違いない。 ああ、踊りのグループが出てしまう・・人が挨拶しているのに・・私までもがハラハラしていると、このイベントのディレクターのような人があわててミキサーに駆け寄っていって、BGMを「ぶちっ」と切った。 なんという段取りの悪さであろうか。 その後もいくつかの、ドタバタはあったが、イベントはだんだん盛り上がってきて、ダンスが始まった。 次から次と披露される、高校生選抜の踊りが凄かった。 この地で生まれ育つと日系人でもこんなに違うものか。 私はステージに見入った。 写真は仲良くなった現地の日系人の若者たち。 イベントは最高潮を迎え、私は最初のいくつかの点を忘れるくらい満足した。 そして今頃になって思い出したのである。あれは段取りが悪かったなあ・・。 こういうイベントを外国で見るたんびに思う、日本ぐらいこういう「段取り」がうまい人種はいないのではなかろうか。考えられるあらゆるリスクを想定し、責任を決め、早めはやめに準備を整える。 しかしこうも思った。 それゆえに、人のちょっとしたミス、不手際がいちいち気になってしまうというのは不幸ではなかろうか。 祭においては多少の「段取りの手違い」などはさして重要でなく、大事なのは「楽しむべきときにきちんとぶっちゃけること」だ。そうなのだ。そうに違いないのだ。 私はけっこう強く確信した。 次の日はかなり厳粛でなければならぬ式典が行われのだが・・・それもズッコケの連続だった。 しかし、ダイナマイトボディを持つサンバ・チームによる最後のアトラクションだけは数々の不手際を補って余りあるくらい素晴らしかった。 ま、いいか・。 /////////////////////////// お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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