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テーマ:今日聴いた音楽(75212)
カテゴリ:ピンク・フロイド解説
ピンク・フロイドの第7作目にして最高傑作(と、私は思っている)。 「おせっかい」という邦題も、なんともセンスがいい。 前作の原子心母に比べミキシングの機材が格段の進歩を遂げているのでオトの出来が違う。 むろん音楽性の向上もあったものと思うが。 1. 「吹けよ風、呼べよ嵐」はプロレスのアブドーラ・ブッチャーの入場曲で有名になった。 確かに、なんらかの壮大なものが徐々に姿を現してくるような感覚がある。 考えようによってはこれほど単調なコードもないが、そのカッコ良さとオトの玄妙さでこの曲は輝いている。 2.3.4.はちょちょいで作った感じの曲が並ぶ。 私もつい失礼ながらパスしてしまう。 このアルバムは5.の「エコーズ」に尽きる。 私にとってはプログレ曲のベストなんである。 この曲ほどわかりやすくなじみやすいメロディを用いて深遠な境地に到達しているものがあろうか。 渋谷陽一氏は、「ピンクフロイドの音楽は技術に依存しない」と評したことがあるが、まさに、このバンドは類まれなオトの鋭い感覚とイマジネーションだけで他の追従を許さない世界を成立させているのだ。 しかし中間部を聴いていると、魂が「あっちの世」に行きっぱなしになるのが困る。 私はいつも原田知世主演「時をかける少女」での深町君の「けっして時の亡者になってはいけないよ」というセリフを思い出してしまう。 そしてシンセの単音が遠くから聴こえてきたときには、ああ、もとの自分に戻ってきたんだな、と安堵の涙を流すのであった。 これだけの曲を一からもう一度作ってみろといわれても、いくら彼らでも到底できないことだろう。これは時と場所と魂とが絶妙なタイミングで交わって生まれた奇跡の曲なのだ。 あっ、ずいぶんと入れ込んでしまった。ほんの数日前はラーメンのネギがどうのと語っていたのに・・。 結局エコーズだけが好きなのだが、それでもこのアルバムは★★★★★しかないであろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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