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カテゴリ:よもやま話
5月2日、「日米投資イニシアチブ・ビジネス交流セミナーin仙台」(国際センター)に出席。 このセミナーは、平成13年の日米首脳会談において、小泉総理とブッシュ大統領により設置された「日米投資イニシアティブ」という両国間での投資交流を双方向で進めていこうというプログラムの一つで、経済産業省、在日米国大使館、日本貿易振興機構(ジェトロ)と開催地の自治体などが共催して、開催するもの。 仙台での本セミナーの開催は、仙台市、宮城県そして東北地方への米国からの投資促進を図るため、米国の企業関係者に東北や仙台地域の投資先としてのメリット、魅力、特徴を直接PRすることだ。 在日米国商工会議会頭チャールズ・D・レイク2世氏のレクチャーによると: 外国から自国への投資(これを「対内投資」という)の対GDP比率は、2004年のデータで見ると、 フランス26.5% イギリス36.3%(!) 中国14.9% 韓国8.1%(!) これに対し日本は2.1%。これは際立って低いというだけでなく、1990年からの伸びもかんばしくない(0.3%から2.1%)。韓国は同じ期間に、2.1%から8.1%まで伸ばしている。 これは投資の受け手側である我々日本人に対内投資にまつわる「誤解」があるからである、という。 このへんは興味深いのでそのまま紹介させていただく。 1.貯蓄過剰の日本に資本流入は必要ない 2.対日投資は技術流出を招く 3.対日投資の大部分は「ハゲタカ」ファンドである 4.M&Aの対内投資は常に敵対的なものである 対内投資を増やすには、こういう誤解を乗り越えるべきだと。 さらに、彼の引用した資料だが、これは以前ある程度聞いたことはあったが、こうしてデータで見ると、改めてショックを感じる。 ある研究機関がまとめた「GDP将来予測」によると日本の成長は今後横ばいのまま、中国が、まず2015年に日本を追い越し、さらに2040年にはアメリカをも追い越し世界トップになる。 その後をインドがついていき、日本を抜いてアメリカをも追い上げる。 これがそのスライド。一番勢いよくあがっているのが中国、下で伸びているのがインド、上位で中国と交差しているのがアメリカ、これは見えるか・・下でまったく伸びていないのが日本。いかん、前のひとのアタマにフォーカスが・・(笑)。 締めくくりは日本へのエール。 日本はこれだけ対内投資が少ないにもかかわらず大きなGDPを上げているのだから投資を呼び込むことにより大きな成長を上げられるはず、優れた金融経済システムと高い競争力を持つ製造業、サービス業があるのでそこを伸ばしていけば・・。ということだった。まあ、もっともな落としどころであろう。 私としては日本が伸びないことも避けたいが、なにより中国がこのまま言論の自由、人権の尊重、法の支配といった普遍的な価値観が確立されないまま、経済的な力だけ付けて「世界の覇者」として振舞うことの悪夢を懸念する。 一方私は経済発展というものは、その国の持つ民度やその国の提供するクオリティ・オブ・ライフ・・・すなわち全体的なファンダメンタルズが最終的に制約条件になっていくもの、と漠然とだが思っている(高度成長時代に、日本は一時その限界を破ってはいる)。 おっと、「日米投資」の会議なのに別のところにビビッと反応してしまった。 アメリカが中国をどう見ているか、は訊くチャンスがなかった。 まあデリケートな問題すぎて不用意に切り出せないということはあった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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