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カテゴリ:よもやま話
ラーメンからいきなり堅い話題です 半導体微細加工技術を応用して極小サイズの電子機械装置を作り出す最先端テクノロジーはMEMS (Micro Electro Mechanical System)技術と呼ばれている。 「半導体・ディスプレイの経営者・技術者が,今は年間で数千億円の市場しか生まないMEMS技術に大きな期待を寄せている。ユビキタス・センサーやバイオ・チップなど,半導体・ディスプレイの次の収益源の確立が,MEMSを介して現実味を帯びてくるからである。医療,化学,エネルギーといった既存の事業領域外にあった付加価値をチップに取り込み,新たな成長エンジンになる可能性が高い。(「日経マイクロデバイス2004年12月号」より)」 この会議ではドイツ最大規模の研究機関であるフラウンホーファーの技術者なども招き、マイクロ・テクノロジーの異分野統合やMEMSビジネスの展望、仙台地域におけるMEMSの「ものづくり拠点」の形成について、などが話し合われた。 期待される応用分野としては、光応用のものとしては光通信用光スイッチ、光スキャナ、高周波応用としては微小な高周波スイッチやフィルタ、生化学医学応用のものとしてはDNA分析チップ、蛋白質分析チップ、医療応用では血液検査チップ、能動カテーテル、ドラッグデリバリーシステムなど、その将来的な活用方法はほぼ無限大と言ってよい。 MEMS技術の有名な例として、ひとつMESAGを挙げてみよう。 これは直径1.5ミリのリングを静電力で浮上させ、これを超高速で回転させることによって3方向の加速度と2方向の角速度を同時に計測する超小型ジャイロだ。 角速度の検出は船舶や航空機向けの高精度ジャイロと同じ原理の「回転式」だが、機械支持部を全く持たない。また、加速度の検出も高精度なサーボ型で、かつ3方向の加速度を同時に計測できる特長を持っている。 ここまで小さいジャイロだと、人体に装着する「ウエアラブルセンサ」に使用できる。 例えば、人工股関節の作動チェックなどにも使われるのだが、日常生活での応用例では、「カーナビ」ならぬ「ヒトナビ」が考えられる。 メガネのレンズに貼り付けられた超小型のディスプレイ。 この人は今、歩きながら料理番組を観ているとしよう。 この料理を家で作ろうかと思い立つ。スイッチをピッツ。 メガネに、この料理のレシピの材料一覧が写しだされる。 次のスイッチで、材料買いまわりマップが出る。 「案内を開始します」とメッセージ。 メガネに「矢印」が表示される。 「何m先の八百屋で何と何を買ってください」、 「何m先の肉屋で何を購入してください。」 「この料理にぴったりのワインは、この種類ですが、お好みでなければ、このワインはいかがですか」・・。 買物客はリアルとバーチャルの重ねあわされた情報を受けながら街を歩きまわる。 こういうMEMS,情報通信技術などを駆使して、ITの成果で人間生活のあらゆる面をサポートしていこうという「ユビキタス計画」がある。 「何もそこまで」と現時点では思われるかもしれないが、ウオークマンも携帯電話も、シーズが需要を作り出してきた実例がある。 この程度のことはおそらく5年以内くらいに実現し、誰もが当たり前のように受け入れているだろう。はじめはサイズの関係から、メガネではなくてゴーグルのようなものだろうが。 しかし考えてみると、こういう最先端の情報受信をしながら「八百屋で買い物」というところがおかしい。 私が子供のころ夢想していた近未来というのは、確かに情報関係ではまあまあ近いものになってきたが、商店とか道路、都市構造なども、もっとドラスティックに変わっているものと思っていた。 なんだかバーチャル技術だけが著しく先行して、社会やまち、それらに浮き彫りにされる人のあり方だけが矢鱈と旧態依然としている、ことに改めて気付いたのであった。 いやいや、MEMSと直接関係のないハナシになってしまった。 ともあれ、10年後、仙台が「MEMSの秋葉原」になることを期待している。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Nov 12, 2006 05:56:32 AM
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