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テーマ:温泉について(1666)
カテゴリ:鳴子温泉郷(宮城)
ここは、3年ほど前に訪問した覚えがある。
今回は鳴子ホテルに行ったついでに、通りがかりに写真をとったものだが、いまさらながら鳴子・中山平の湯量の豊富さに感動する。 3年前、日帰りで訪れ、非常に記憶に残るようなことがあった。 大浴場に、かなりよれよれになった高齢のご老人を、割烹着の奥さんとおぼしき人が入浴介助していた。 その姿はいかにもかいがいしくて、武者小路実篤の色紙を思い出すほどだったが、 どんなお年にせよ一応女性がいるという状態では落ち着いて入浴することはかなわないので、私は「ラドン風呂」という、ちょっと別室仕立ての湯船に身を沈めた。 中山平特有の「ぬるぬる感」と、ラドンによる「むらむら感」とが混淆し、私の意識がほどよく「ぬるむら紫」にたなびいてきたその時、やにわに鋭く尖った声が、さきほど通過した大浴場にこだました。 さっきの女性が、老人を口ぎたなく叱責する声だ。 「ほら、こうじゃなく、わかんないのか!こら。こっちの手をのばせ。違うこっち!、ほら、もういい、湯に入れ!」みたいな感じだったかな。 私のほんわかした予定調和的な幻想はたちまち崩れ、やにわに厳しすぎる現実を鼻先につきつけられた。なんだか、「シンドラーのリスト」をみる思いだった。 こんなに憎々しげに、しかし一応ちゃんと人を介護しているというのは、どういう状況なのだろう。 もしかすると、この奥さんと思えた人は、公的なお金で雇われた介護人なのかもしれない。 そして、知っている人が誰もいないと思って、こういう態度をとっていたのかもしれない。 しかしその光景は、非常に醜かった。 この人が奥さんだったとしても、雇われ人だったとしても・・・。 この宿を見ると、どうもこのときのことが頭にオーバーラップしていけない。 今度、気を取り直して、きちんとお風呂のことをレポートしなくてはね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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