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カテゴリ:よもやま話
さて、「牛滝~仏ケ浦15分 夢の海中号」の話であった。 狭い道を降りていくと、意外なことにここには小さな集落があった。 こういうところにまで、選挙のポスター掲示板が立っていることは当然であるが、不思議でもあった。 乗り場は・・おおおおおっ! つぶれた漁協のような建物。「係員」は猟師のおっちゃんであった。 あと15分くらいで来るから・・と携帯電話で連絡を入れると、こんどは料金係りのばあちゃんがスタスタと近所の民家からやって来た。なんとものんびりしたシステムだ。 これが乗り場のしるしである。 待つこと20分。 現われた「夢の海中号」は、ある意味お約束のように期待を裏切るものであった。 いやいや、これは瑞祥ですぞ!ともう一人の私が語る。 なにしろ、客は私一人。 一人のために船を出していただいて、仏ケ浦の絶景を楽しむことができる。こんな贅沢なことは・・前世からの積み立て年金でなくて何だというのだろうか!? まあそういうことにしよう。 デッキの一番上に乗せてもらって、ゴキゲン、ゴキゲン。 船が離岸してすぐに、この世のものとも思われない景色が展開されていく。 私がたまらずに写真をパチパチ撮っていると、船頭さん(とでもいうのか?)が まあ、待っていなさいという表情で「仏ケ浦は、もう少し先だねぃ」と言った。 ほどなく、これまでの絶景ともまた次元の違う世界が現われてきた。 ・・これは、確かに別物だ。 船頭の言うとおり、仏ケ浦とは、世にも特異な白い巨岩が連たんするスポットだけを限定的に指すのだろう。 いったい何がどうなるとこういう景色が出来上がるのだろうか。 私は我を忘れてこの光景を見いるとともに、小学生のときの高揚した気分を、しきりに今の心に巻き戻したりした。 30分間、陸地で散策タイム。 実際に歩き、ごつごつした岩に手をふれると、また違った感慨が押し寄せてきた。 「来たよ、約束どおり・・。」 と思わず岩に話しかけてしまってから、誰も回りにいないことを確認した。 帰りの便はもう少し人が乗った。 船頭さんに、「日曜日にしては、人が少ないですね、朝、雨が降ったからかな」と尋ねると、船頭さんは「いや、いつもこんなもんだね・・・。やっぱり、恐山が観光地になってしまって、かえって来る人が少なくなってしまったような・・」と言った。 確かに、今回はじめて恐山に行ってきたが、「この世のあの世」を期待していただけに、整備が行き届きすぎてちょっと失望するところがあった。 その話は、次回にまわそう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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