|
カテゴリ:鳴子温泉郷(宮城)
さて、風呂の話に移ろう。
まずは、近年増設された貸切露天風呂に行ってみる。 宿の北側にドア、そこから外履きに代えて数歩。 真新しい脱衣場。そこには時計と一輪挿し。 40分以内が目安ということなので時計が置いてあるのだろう。 簾のアレンジが良く、雅な感じがする。また、開放感はさほどではないが、裏山が手の届くところまで迫っているので、野趣は十分にある。 雨が降っていたらさぞかしいいだろうな。 欲を言えば、湯船の淵に腰掛けられるところがあると、体を冷ましながら長湯を楽しめるのだが。 閉鎖的なものが多い鳴子の露天風呂の中では高水準なほうである。 この内湯を見たとき、私はよだれがたれそうになった。 何がって、この湯の成分の堆積が凄い!! 湯船の淵には、マーブル状の模様が付いた成分が5ミリほども盛り上がっているし、床に至っては、成分によって段丘が形成されて、溢れる湯がひたひたと緩やかに流れ降りてくる姿は感動的である。 この風呂を見て、楽天トラベルに苦情を寄せた客がいた。 「温泉が目的で、鳴子に来たのだから、宿の風呂の整備をもう少しして欲しいなぁ・・・」 とは、文化財を見て古いと文句を言っているようなもので不見識の極みといえよう。 掃除が悪くてこういう姿をしているのではないのだ。 この堆積物をまとった湯船は、この宿が永年に亘って丹精こめて本物の湯を守り続けてきた証拠物件であり、勲章でもある。 それがわからん客は、来なくていいっ!・・・と、宿の人は言えないだろうから私が言っておこう。 でもやっぱりお客は、わんさか来たほうがいいさね。 なお、泉質は、かつて隣で営業していた「栄泉」と同質のもので、炭酸水素を多く含む褐色の湯。 すべすべ湯ではないが、肌の角質を落とす効果がある。だからいったんざらざらした感じになる。そのあとでしっとりとしてくるのだ。この宿でクレンジングして、対岸の「すがわら」でコーティングするのが望ましいリレーかもしれない。 こういう湯もまた、多彩な泉質を持つ鳴子の、ひとつの泉質を代表する湯なのである。 「本当に温泉?」という苦情もあったが、これも、白濁・硫黄臭だけが温泉のように考えるのは浅すぎる。 わからん客は、来なくて・・・くどいか^^ なお、洗い場の排水溝の流れは確かによくない。浴槽からの掛け流しの量で手一杯で、体を洗った湯が流れきれずにたまってくる。これは改善の余地ありだろう。 この風呂が24時間私を待っていてくれるのだと思うと果てしなく贅沢な気分に包まれた。 ・・続く(次回は手作り料理の巻)。 なお、この楽天トラベルでの「お褒めコメント」は私です。 鳴子温泉 河畔の宿 紫雲峡 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[鳴子温泉郷(宮城)] カテゴリの最新記事
|