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テーマ:バンドマンの語り場(1286)
カテゴリ:レッド・ツェッペリン解説
レッド・ツェッペリンの名曲の中からお気に入りの10曲を選びます。
6位から10位はこんな感じです。 10位 The Wanton Song アルバム「フィジカル・グラフィティ」のD面2曲目に収録。 「wanton」とは「ムチャな」「理不尽な」というほどの意味か。 歌詞はまあ、口をきかぬ神秘的な女、悪夢のごとき混沌、セックス・・そうしたものがテーマになっているんでしょうかね。 いきなり強烈なリフが耳をつんざく。 ギターのスタッカートの残響と、半拍くらい遅れて感じるスネア打音が心地よい。 ツェッペリンらしい、抽象的で粉砕感みなぎるすさまじい音の塊です。 プラントの声質がまた、この抽象性に実によく似合います。これがギランだったらぜんぜん合わないし、当時のデビカバだったらボーナムが歌ってるのかと遠目には見えましょう(関係ない)。 ギターソロは、このハイテンションなリフに対し、実に緊張感がありません。キーボともオーバーダブしたような音色を作りつつ実にユルい感覚で弾いています。 そのあとのサイレンのような音で、テンションを戻すあたり、実に巧みなつくりです。 この曲、単調なんだけど頭から離れなくなっていくんです・・。 9位 What Is And What Should Never Be 邦題「強き二人の愛」。 この「き」がなんとなく時代を感じさせます。アルバム「レッド・ツェッペリン2」のA面2曲目に収録。リアルタイムでこの曲をWHOLE LOTTA LOVEから続けて聴いたとき、「こう来たか~!」と非常に衝撃を受けた覚えがあります。パープルのマシンヘッドのMAYBE I'M A LEOとはえらい違いです。 眠い朝、耳元でヒソヒソ・・と囁くようなボーカルと唄うベースラインが特に印象的。 そもそも、ほとんどボーカルとベースだけ、というチョイスも素晴らしいです。 そしてこのギター・ソロの音色・・すべてが艶やか、中山平の湯のよう(おいっ)。 しっとりとしたラブ・ソングですが、途中ゴリゴリに転じ、全体としてはやはりハードロック以外の何者でもなく仕上がっています。これでいいのだ。 8位 Misty Mountain Hop アルバム「レッド・ツェッペリン4」のB面1曲目に収録。 この曲、実にシンプルでボーナムのドラム・サウンドを前面に押し出しています。現役時代は、大変参考になりました(ミにはなっていませんが)。 ドラムの各パーツがそれぞれ違う位置で鳴っているように聴こえます。ハイハットが耳元でシャクシャク鳴っているし、ときおり放つフィルインのタムは遠くで朗々と鳴っているようです。バスドラムは、通常彼の場合「ドス」と建物の床を蹴って鳴らしているような音の録り方が多いのですが、このアルバムでは総じて、太鼓らしい「ドウン」という残響のあるサウンドです。 この曲でのオカズは実に素晴らしい。手順で難易度が高いというのではなく、他の誰が同じように叩いても、決して同じようにカッコよくは聞こえないのです。 ドラムしか聴いてないのか!って・・この曲の場合は、そうです。 7位 Houses Of The Holy 「聖なる館」という名前を持ちながら、同名のアルバムのタイトルチューンにされず、フィジカル・グラフィティに収録されています。 この時期に特徴的なのはアメリカ市場を意識したクリアなサウンドと明快な曲の構成。 リフも印象的、メロも一発で口ずさめるポップなもの。 とくにこの曲はシングル・ヒットも狙う制作意図もあったんじゃないでしょうか。 歌詞も平明。 Let me take you to the movies. can I take you to the show Let me be yours ever truly. can I make your garden grow From the houses of the holy, we can watch the white doves go From the door comes satans daughter, and it only goes to show. you know. Theres an angel on my shoulder, in my hand a sword of gold Let me wander in your garden. and the seeds of love Ill sow. you know. この曲はどういう訳か私の脳内でAメロの途中、オックスの「ガールフレンド」に繋いでしまいます。メロなどは、まったく似ても似つかないのですが、この・・情景だけがあって物語がない感じ?病気だな・・。 ここでのジョンポールのベースはグレンヒューズの音色にちょっと似ています。 オクターブを中心に、乾いた割れ気味の音をシンプルに叩きつけるような演奏。 エンディング近くになって引っ掻き回すようなギターソロが聴け、なかなか良いのですが、これはサウンド的にも前面に出ていない。こういうところがツェッペリンの実に奥深いところです。 初心者バンドの練習レパートリーとしてやったらどうでしょうか。 この曲なら多分、一応「最後までは行く」でしょう。その場合、最低このサウンドの感じだけは出して欲しい。あと、ボーカルだけは上手い奴でないとサマにならないでしょうね。 6位 Song Reminds The Same あまりに有名な「永遠の詩」。 アルバム「聖なる館」のA面一曲目に収録。リアルタイムではツェッペリンのファンではなかったので、私はこの曲を、しばらくプレゼンスあたりの(後期の)アルバムに収められているナンバーだと思っていました。サウンドがどことなく後期っぽいのです。 ひとつひとつのパートが明瞭に分離しているのと、「アキレス最後の戦い」と共通する一種の疾走感を持っているからでしょうか。 ジョンポールの、バスドラムとシンクロする、「紋甲イカ」のように弾力的なプレイが耳に残ります。ところどころリードベースの片鱗も見せ、ベースを聴いているだけでも飽きません。 ペイジのリードも普通のハードロックギタリストの文脈とはまったく別の次元でプレイされており、ストライカーではなく司令塔、あるいはサウンド全体のCEOとしての役割に自ら任じていたことがこの曲を聴いていると痛感されます。 とにかくカッティング、アルペジオと目まぐるしく、アマチュアのギタリストでこの曲を流暢にやれる人はたいしたものです。 You tubeで見ると、だいぶライブでは速いテンポで、リズムセッションのプレイもさらに派手目になっています。 http://www.youtube.com/watch?v=CcYZlRWWxO0 /////////////////////////// ワーナーミュージック・ジャパン レッド・ツェッペリン/フィジカル・グラフィティ ワーナー・ホーム・ビデオ レッド・ツェッペリン/レッド・ツェッペリン 狂熱のライヴ スペシャルエディション お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Nov 21, 2010 09:17:54 AM
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