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テーマ:温泉について(1667)
カテゴリ:その他の山形の温泉
確かにこの宿は古びている。
だが、部屋に着いて一時間くらい経ったあたりからだんだん心と体が馴染んで、細かいところが気にならなくなってくる。 古びたところが心地よく思えてくる。 この感じ、いつもながら、ちょっといいんだな。 ヘンな話だが、自分が一回り大きくなった感じがするのだ。 東鳴子の田中温泉にでも泊まれば、私はきっと大人物に成長したかもしれない。 が、それを待たずに田中は廃業してしまった。 ああ、田中・・。 翌朝、宿の周りを改めて散歩した。 歩きまわるほどでもない狭い山間だが、私はこの小集落になんだか情が移ってきた。 道端に群れ咲く紫陽花や無造作に転がっている農機具や肥料、朽ちかけた廃店などが、どれも ひたひたと語りかけてくるような静かな味わいがあった。 そこだけ立派な公明党のポスターなどなければもっとよかった。 強くなりつつある日差しの中、細い小川沿いを歩いていると、不意に吉田拓郎の「夏休み」が口をついて出た。 麦わら帽子は もう消えた たんぼの蛙は もう消えた それでも待ってる 夏休み 姉さん先生 もういない きれいな先生 もういない それでも待ってる 夏休み 絵日記つけてた 夏休み 花火をかってた 夏休み 指おり待ってた 夏休み 拓郎、がんばってくれ・・。(おわり) 羽根沢温泉 加登屋旅館 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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