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カテゴリ:鳴子温泉郷(宮城)
「東蛇の湯」はらどん温泉と同一経営で、宿泊者は風呂を行き来できる。
自炊を望む客は「東蛇」、食事付きは「らどん」という棲み分けはあるが、なんかそれだけではない一線がある。 「東蛇」にはどこか一層の決意がなければ足を踏み入れることさえ許されないような、暗い「結界」を感じるのだ。 2009東蛇の湯1 posted by (C)オフミ こんな陰惨なカラオケ・ボックス、はじめて見た。 2009東蛇の湯2 posted by (C)オフミ 真新しい自動販売機に文明のいぶきを感じるものの、カメラを向けるのも入り口どまりという気後れがある。 なにしろ、玄関を抜けるとそこはただちに高齢者たちの療養の場。 レトロとか雑然とか、そういう月並みな言葉で語っては祟りがやってくる。 玄関には誰もいなかった。 風呂は内湯と露天が繋がっていて、脱衣場のみ男女別というつくりであるが、私がいた20分、女性は入ってこなかったようだ。 内湯には大きい浴槽が二つ。 片方に「入浴禁止」のチェーンが立っている。 これは、湯温があまりに熱いため、さますために代わりばんこにお湯を汲んでは冷ましているのだそうだ。 湯は内湯、露天ともにエメラルドグリーン・硫黄臭・ヌルヌルとかなりマニアックなもの。 ただ土曜の午後なので、客は入れ替わり立ち代り。写真もとれない。こんな感じです。 東蛇の湯HPより posted by (C)オフミ 眼下に渓流。対岸の森の木立が実に美しい。 気持ちいいなあ、来てよかった~。 内湯に戻ると、おじいさんが「今日の露天は湯が汚れてるねえ」と一人大声で語っていた。 うわっ、目が合ってしまった・・。 私「あれは湯の花ではないのですか」 「湯の花なら浮いてくるだろ、人の垢がいっぱい沈んでるべや」 私「ほお・・よくわかりますね(聞かなきゃよかった)」 「いつも来てっかんな、でも二階の風呂よりはいいんだ」 私「二階は今ひとつですか」 「あっちは湯が熱いと、客がどんどん水でうめる。だから温泉の成分がだめになるんだよ」 おっ、通!! 私「やはり違いますかね・・」 「うん、あっちの湯は、体の芯から温まらない。夜中に寒くなる」 じいさんの説明、なかなかリアルである。 「それから、ここの露天は、夜になると目の前の渓流を風が吹き抜ける。空は満点の星だ・・」 じいさん、意外にロマンティストだった。 それはいいが、私はいつ話を切り上げようか、そればかり考えてた。 暗い廊下を戻る。ふたたびらどんの人となる。 東蛇からの生還。 らどんの玄関の置物が、なんだかとても豪華なものに見えた。 2009鳴子らどんロビー posted by (C)オフミ ・・続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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