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テーマ:温泉について(1666)
カテゴリ:鳴子温泉郷(宮城)
東鳴子勘七の湯に部屋をとって、この日はじめに訪れたのが、川向こうの赤這温泉、阿部旅館でした。
マップを見ると楽勝で行けそうな感じがしたので、歩いたのですが、いやはや遠い遠い・・。 これで入浴を断られたら泣けるでえ・・と思いました、阿部旅館はこころよく迎えてくれました。 大女将さんですかね?やわらかな物腰で、風呂まで案内してくれ、風呂の使用方法をオリエンテーション。 「男湯」「女湯」「貸切」の三枚の札が用意されていて、入浴客はこれを自分でドアに下げて入ります。 これならあとからリボ、じゃない、「あとから混浴」になる心配はありません。 一人のとき、「貸切」は少しワガママだと思い、「男湯」で申告。 「こっちも入れるんですが、まだお湯がいっぱいになっていなくて・・」と申し訳なさそうに言われますが、なんのなんの。たった300円の料金でそんなに気を使っていただかなくても・・。 湯が一杯の、手前の風呂場からいただきました。 これは大変結構。アブラ臭があり、湯の色は薄いパープル。 こんな湯があったんだ・・としばし見とれていました。 やや熱めの湯につかると、白い湯の花が盛大に舞っています。これまで観た中で、いちばん湯の花が派手かもしれません。 蝶のように見えるものもあります。 (ここから先は妄想) /////////////////////////// 手で掬って持ち帰ろうとすると、湯の花は、 「私は湯の街でしか生きられない夜の蝶、ならぬお湯の蝶。生きる世界がちがいますわ。追うのはやめてください」 と言って、手の中で儚くほろりと崩れた。 ・・可愛そうなことをしたものだ。 私は手の動きを止めて、無念無想になっていると、私のからだの周囲を蝶の群れがゆっくりとまわりはじめた。 /////////////////////////// さて隣の風呂は、泉質がまったく違っています。 エメラルドグリーン+白濁の強い硫黄臭のする湯。 こちらは濁っていて湯の花の様子は見えませんが、小さい黒い塊が散見されます。 ここから先は妄想(笑)。 /////////////////////////// 「君がこの風呂の湯の花かい」 「うん、・・でも僕、隣の湯に比べれば不細工だっていわれるんだ・・」 「そういえば君は米を研ぐとき、たまに混じってるコクゾウムシに似てるって言われないかい」 「どうせ、僕なんか何の価値もないんだ」 「そんなことはない、ナンバーワンよりオンリーワンだよ。元気を出せよ。お互いがんばろうぜ」 「僕には意味がよくわからないけど、そういわれると、少し元気でるかな・・」 「ところでコクゾウムシ君ってやっぱり無農薬の米が好きなのかなあ」 「・・そのことについては、僕は答える立場にないってばあ」 失礼なことをした。 /////////////////////////// 「湯の花君」はそのあと、入浴中顔を出すことはなかったが、こうした対話をつうじて、私はこの風呂にも強い愛着をもちました。 この浴槽に堆積している成分がまた迫力でした。浴槽のへりに黒いアブラがぎっとりと光っています。 現実に戻るが、どちらをとっても東鳴子を代表できるような個性的な湯が二つ並んでいるというのはずいぶんと豪勢だ。 ここも、温泉好きにはマストの旅館であろう。 湯治専門。日帰り休憩(大広間)あり。 玄関先にもワンちゃん(よく吼える)がいましたが、非常口(裏口)にも大きいポインターかな?が見えます。 手をふってみましたが、態度はそっけなかった・・。 帰りぎわ、きれいな若女将さんが自宅玄関から顔を出して見送ってくれました。 犬はそっけないけどその分、宿の人たちはみんな感じよかったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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