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カテゴリ:洋楽(ロック・クロスオーバー)
らっくびーさんのお勧めで聴いているが、実にハマるアルバムです。
どの曲もモチーフがしっかりしていて、惰性に流れるというところがない。 今更ながらですが、コステロ恐るべしです。 ピート・トーマスのスネア・ドラムのサクッとした音色がとてもいい。私の理想に近いオトです。 ★★★★☆ 1. Let Them All Talk 初めて聞いたとき、チータカというブラスのテーマが耳障りでした。 なんだか志村けんの「ばか殿」みたいだなと思ったのです(笑)。 それは今となっても若干は残っているのですが(笑)、それを除けばコステロ一流のメロディアスでキャッチーなナンバーです。 こういう明るいメロでもどこかに哀愁をもつ音階を入れ込むところ(all over you~のあたり)がベタを防いでいますね。 2. Every Day I Write The Book このアルバムを代表するナンバー。 らっくびーさんお気に入り。 コステロが初めて全米トップ40に食い込んだ曲だそうです。 メロ、歌詞、声、歌い回しどれも甘美です。 このマーブルチョコレートのようなカラフルなギターのバッキングが、またいいですねえ。 3. The Greatest Thing ブルース・トーマスのゴリゴリとうねる動きのいいベースが聴きもの。 4. The Element Within Her 私の大のお気に入りのナンバー。 運転しながら聴いていると、体が自然に横にゆれてしまいます。 「車両のふらつきが大きくなっています」とナビ。 コーラスがいい。コステロの声がベストマッチ。そして、まったく違う次元の曲を紡ぎ合わせたような違和感が美しいです。バッキングのピアノのフレーズも効果的。どうすればこういう曲が作れるのか・・。 5. Love Went Mad これもいいです。びしびしとしたリズムと一筋縄ではいかない展開だがメロディの輪郭はしっかり耳に残ります。 実に間然とするところのないポップです。 自分で演奏するとしたらこの曲をやりたいかな。コーラスは、できませんが・・。 6. Shipbuilding 歌詞を見ながらじっくり味わう曲です。 フォークランド戦争の頃、イギリスのMerseyside , Tyneside 、 Belfastなどの港町は造船で栄えました。その船に乗って、息子たちが死にに行くのに、そんな繁栄がなんだ(Is it worth it)、というプロテストソングです。 節まわしにちょっとバカラック風味があり、彼の深い素養を感じます。 7. TKO (Boxing Day) これもひねててポップでいかにコステロらしいナンバーです。 このTKO!の決めの前のブラスがいつまでも頭の中で鳴っています。 8. Charm School 地味な曲ですが、何度も聴いているうちにだんだん成分が体に浸透してきます。 中間部、厳密には01’55”あたりのアレンジ、それからエンディングのストリングスが気に入っています。スリー・ディグリーズの世界にちょっぴりだけ入り込んでしまいました。 9. The Invisible Man ホンキートンク調? ちょっと中だるみを感じさせないでもないです。 10. Mouth Almighty この曲がこの順番で入っているのは上手い。出だしはオールデイズ風です。 昔のクリフ・リチャードとか聴いている気分になりました。 その後の展開はまったく違うのですが・・。異質なモチーフを合わせて重層的な味わいをもたらすところがコステロの真骨頂か。そういう意味では西健一郎さんの料理にも通じるものがあるかと。 11. King Of Thieves この曲はいろいろなものを組み合わせた結果、ちょっとトリトメがなくなっている例かな、と思わないでもありませんでしたが、聴きこんでいくうちに良さがしみ込んできます。 12. Pills & Soap ちょっとミステリアスな曲調。 当時サッチャー首相の再選に対するプロテストとして書かれたシングル曲です。ヒトラーがやったように人を薬剤や石鹸に変えてしまう政治だと主張します。歌詞の内容を調べる前は、この曲の真価はわかりませんでした。 13. The World And His Wife 誰がつけたか邦題「コステロ音頭」。 この邦題のせいで、せっかくキャッチーな曲なのに、つい手拍子を入れたくなってしまう。 ついでにビートの谷間に手をさすりたくなってしまう。頭のなかで太鼓櫓の回りやコステロやドリフがぐるぐると踊る。 いやー、ひどいことをしやがります。 オフザケの効いたキーボード・プレイが楽しいです。 Elvis Costello エルヴィス・コステロ / Punch The Clock 【CD】 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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