平日午後をオフにできたので、仙台から1時間以内の近場で、未訪問のところに行ってみることとしました。
気になっていたのは大河原にある「いい湯」。
大河原と聞くと、ロードサイド店の並ぶ、風情のない「通過の地」というイメージしか湧かない(失礼!)のですがいろんなサイトを見ると、意外に良いらしいのです。
「もち豚」を使った料理も売りにしているということで、昼飯を抜いてGO!
国道4号線を南下していくと、道路沿いにも「いい湯」の看板が何箇所か見られます。
私はずぼらをこいて、カーナビにまかせて走っていたら、道がどんどん狭くなって、田んぼのあぜ道のようなところに導かれてしまいました。
まあ、走れなくはないですが、片方が法面になっていたり、すれ違うこともできないような道で、これはどう考えても王道ではありません。
やはり、ちゃんと看板にしたがって走ったほうが賢明のようです。ただ、どこから攻めるにしても、狭い道を通らないとだめなようです。
「忽然と現れる」という表現があたるでしょうか、この「いい湯」は、そうした辺鄙な道の先にある施設にしては、かなり目覚しいもので、新しくシックです。ちょっと、新進の割烹旅館のような感じもあります。
風呂前に、レストラン「四季彩」でまずは腹ごしらえ・・。
日帰り温泉施設の大広間のようなしつらえです。
ここでもち豚を食べないのでは来た甲斐がないと思い、980円のミルフィーユかつ御膳を発注。
おおっ、とんかつ庄内に劣らない迫力!キャベツの千切りが山盛り、煮物もついて、なかなか充実感があります。
かつの揚げかたもサクッと爽快、薄切りが重ねられたミルフィーユはうまみのある肉汁をたっぷり含んでいます。コストパフォーマンス、高いです。
こう書いているうちに、また同じメニューを食べたくなってきました!
風呂は、なにぶん平日でも混雑していて、とても写真は撮れませんでした。
で、「いい湯」のHPから抜こうと思ったら、なんとここでもいい写真が見つからないのです。
つまり、一人用の樽湯のようなものばかりが強調されており、そもそも大浴場の全貌がわかる写真がない。
これはどうしたことでしょうか。内湯、露天ともに、10人づつはゆうに入れる立派な大浴場があるのに・・。
客層は、仙南の農家の方か、ビジネスリタイアされた方々が多かった。
露天風呂でのおじさんたちの会話は笑えました。
「奥さん元気かい」
「ああ、最近、韓国映画にはまって、一日3回見てる。9時半と12時と9時半かな・・。」
「けっこう面白いもんな韓国映画って」
「でも変なところもあんだ、たとえば実家に行くっていうと、次の瞬間、もう実家になってんの、中東っていうとすぐ中東」
「そいつは変だな」
「でもそれを指摘すると、怒るんだ」
「うちの女房は最近、縫い物だ」
「それはいいことだな」
「孫の学校に持っていくものとか、材料買ってきて作るんだ」
「いいじゃないか」
「でも買ったほうが安いんだ」
「で、そう言ったのか」
「世界で一つだとか、わけのわからねえことを言い返してくるんだ」
ぷぷっ・・私は隣で、笑いをこらえるのに辛かった。このおっさん方、会話になんとも味があります。
湯は素晴らしい。39度と湧出温度は低温なので加温はしていますが、加水循環なしでかけ流しています。
PH値がなんと8.9!
中山平温泉なみ、したがって肌触りはすべすべつやつやです。
ほかの成分が薄いので表示上はアル単ですが、このペーハーなので入浴感はたっぷりあります。
長時間の入浴で、ふらふらになった私は、大広間に寝そべりました。ここはまさに寝そべりどころというのがぴったりな処で、40畳の室内には、すでに7~8人の高齢者の方々が熟睡しておりました。
耳慣れた声が・・そうです、さきほどのおじさんコンビが私の隣に陣どって、ふたたび話しはじめたのです。私はだんだん湯が効き始め、意識が遠のいてきて、おじさんたちの話は意味不明な騒音でしかなくなっていました。
次回はこの「いい湯」に併設されているミニ動物園を軽くご紹介しましょう。