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カテゴリ:鳴子温泉郷(宮城)
湯、料理、もてなしのいい宿として知られ、数年前に改築オープンした沼倉旅館。
実は私は旧い時代には訪れたことがありません。 改築後もいつも駐車場には数台の車が停まっており、ゆったりと入れそうもないのでパスしていたのですが、今日は車が一台きり!しかも館主に見送られて出発するところだったので、急遽立ち寄り入浴することにいたしました。 館内はまだ新しい木の香りがただよい、なかなか瀟洒な感じ。 昼食のメニューが玄関とフロントにあるので、昼食も出せるのかを尋ねたら、予約の客のみとのこと。ちょっと表示が紛らわしいと思うのですが・・。 案内された風呂は、おお!大きさといい、雰囲気といい、素晴らしい浴場です。 浴槽の5分の2ほどのところに丸太が通っており、「寝湯」になっています。 右の浴槽におっさんが一人いたので、ちょっと遠慮してこの寝湯からいただいたのですが、 おじさんが「そっちはぬるいでしょ」と一言。 確かに・・やはり一発目はきりりと行きたいもの。 湯はまぎれもなく川渡の極上の湯。 灰色がかった緑色で、硫黄臭あり、白い湯の花が舞っています。 藤島さん、越後屋さんなどとまったく同じ泉質と見られます。 私はいつものとおり写真を撮ろうとおじさんが出るのを待ちました。 が、このおじさん、なかなかのツワモノで、熱い湯に入ったまま、まんじりともしません。瞑想にふけっている様子でもなく、庭のほうを眺めるでもなく、足の裏をもむわけでもなく、ただコタツでお茶でも飲んでいるかのような平常さです。 むむっ、ただ者ではない! おじさんは熱い湯をようやく出ました。 よし! と、思ったら。 ゆったりと洗い場へ行き、今度は体を丁寧に丁寧に洗い始めました。 私はその間、他の客が入ってきたら終わりだなと気が気ではありません。 早く終われ終われ終われと私は念じておりました。 ざばん! おじさんが最後の湯を体に流し終えた音がしました。 そのまま脱衣場に直行してくれ! という私の願いは、かないませんでした。 おじさんはさきほどの寝湯に入って、長逗留の構えに入りました。 今度は、さきほどと違い、いかにもリラックスして、いまにも寝入りそうです。 そのリラックスがうらめしい・・。 私もこうなったら意地です根競べです。 熱いほうの湯に入ったり、出たりしながら待つこと約5分。 おじさんはゆったりと寝湯から上がり、脱衣場に向かいました。 勝った!と心で日の丸を高々と掲揚しようとした刹那、 おじさんは、「洗髪セット」の籠を持って、戻って来ました。 まるで夢を見ているみたいです。 ・ ・・このおじさんには、逆立ちしても勝てない・・・ ・ 私はホセ・メンドーサと戦い終えたジョーのように真っ白な灰になって、あんま機に崩れ落ちました。 /////////////////////////// それでもなんとか撮った 動画はこちらです! あんま機でぐったりしているうちにおじさんは帰り、他の客は来なかったのです。 しかし、この動画を見て、そんなに苦労して撮ったとは、誰も思いますまい・・。 ふ、ふふ・・。 なお、おじさんはどこも悪くありません。悪いのは、風呂で写真などを撮ろうとしている私のほうであります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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