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オフミの温泉メロディ

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Dec 29, 2010
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テーマ:洋楽(3401)
カテゴリ:ザ・バンド解説
ステージがキャンセルとなったため、誰もいないホールで録音したアルバムといわれています。エンジニアは、かのトッド・ラングレン。

長年、人気絶頂だったこのバンドのステージがなぜキャンセルなどされたのか、疑問だったのですが、アルバムについていた英文のライナーノーツを眺めていたら、理由が書いてありました。
ざっとこんな意味のことが書いてありました。
///////////////////////////
ウッドストック・フェスティバルのあとで、この静かだった街が喧騒につつまれ、魅力を失ってしまったと嘆く人々が多かった。バンドは、この住民のために、ささやかなコンサートを開こうと企画した。
しかしそれが火にアブラをそそぐカタチとなった。
わずか600シートの小屋に、全米から何千ものロックファンがつめかけ、地元の人たちはほとんどカヤの外に置かれることになったのである。この事態にウッドストックの人々はこのプロジェクトを許さなかった。そのため、観客の誰もいないステージでレコーディングをやることになったのである。
///////////////////////////
このアルバムについて、ロバートソンはインタビューに答えてこう言っていますね。
「軽く、深刻でなく、よりロックン・ロールなタイプのアルバムにしたかった」

ルーツ音楽の色彩が強かった土臭い2枚目までと比べ、若干ポップでモダンな味わいを持たせた作品になっています。
それゆえ世間ではやや低く評価されていましたが、そもそも2枚目までの延長線上にないものをと考えてつくられた作品ですから、これはこれでよいのですね。
実際はSleepingやTime To Kill、The Shape I'm Inなど際立って印象的な曲が多い上に、ほとんど捨て曲はありません。

私にはとても聴きやすく、年を経てからもますます手放せない一枚となっています。

 ★★★★★

1. Strawberry Wine
  一曲目から、あ~やっぱ私はバンドの音が好きなんだ~と再認識させられます。
  ベースのモモモ~というリフが耳に残り、何べんでも聴きたくなります。
  ほとんど残響はなく、特にドラムなどはすぐ目の前で演奏しているような音質です。
  ドタン、バタンという感じでフィルインなど、ちょっと、まずかったかな?なんてのも平
気で入っています。フィル・インのあとでクラッシュシンバルを入れない、彼の特徴が
よくわかります。
  どうということのないロックンロールなんですが、どうしてバンドがやるとこうもスルメ
状態になるのでしょうね。
  
2. Sleeping
 ボーカルはリチャード・マニュエル。バンドではこの人の声が一番好きですね。
 ま、バンドはみんなイイし、ハーモニーの相性も本当に抜群なんですが。
 ピアノの弾き語りで始まるしっとりとした曲で、歌メロが実に泣けます。
 途中でポジティブに曲調が変わるところがまた美しい。

3. Time To Kill
 シングルカットされたポップで楽しいナンバー。このアルバムでは一番好きかな。
 この曲などを聴くと、やはりずいぶん路線が変わってきたなと感じますね。
 いや~でもいいじゃないですか。このコーラス、このまったりしたリズム。
 リチャード・マニュエルのピアノが縦横無尽に大活躍。
 ピッキング・ハーモニクスを生かしたロバートソンの「感電」ソロもゴキゲンです。

4. Just Another Whistle Stop
 シャッフルのリズムに乗せたバンドらしい旋律をもったこの曲は、やはりマニュエルの作。
 この華麗なガース・ハドソンのオルガンのオトがまたいいです。
 レヴォン・ヘルムはバスドラムを時折裏に踏んでおり、それがモタッとした味わいを出しています。ときおり聞かせるジャーというシンバル音がいい味です。
 

5. All La Glory
 バンドらしい渋みのある佳曲です。
 この甘いこもった歌声はリック・ダンコでしょうか。
 ここで響き渡るシンセのオトは、以降の「南十字星」に通じるものがありますね。

6. The Shape I'm In
 バンドの真骨頂を示す、軽快な曲。こういうナンバーは前二作ではなかなかなかった。
 この曲でも実に鍵盤が活躍しています。
 こうしてみると、この曲もその軽快感が「南十字星」のRags and Bonesあたりにつながっていることがわかります。
 ラスト・ワルツでリチャード・マニュエルが力強く歌うシーン、実にヨカッタです・・。
 
7. The W.S. Walcott Medicine Show
 なかなかカッコいい、ヘヴィーなイントロです。
 このサウンドを特徴づけているのは、やはりこのリック・ダンコ特有のボヨンボヨンしたベースでしょうかね。コーラスの後半の音程がう~んと上がっていくところがユーモラスです。
 割れた音色のブラスもナイスです。 

8. Daniel And The Sacred Harp
 懐古的な雰囲気のオルガンのイントロから始まるこの曲はどちらかというとアルバム1,2枚目にちょっと戻った味わいがあります。地味ですが、これも悪くありません。

9. Stage Fright
 このアルバムのタイトル曲でありハイライト。私も大好きなナンバーです。
 哀愁があってノリのよい、不思議な曲です。
 ステージ恐怖症になった、哀れなミュージシャンの歌。リック・ダンコの熱唱です。
 レヴォン・ヘルムの仕掛けるリズムにも注目。

10. The Rumor
 イントロのベースやギターがなんとも陰鬱ですが、何度も聴いているうちにじわじわと嵌ってくる曲です。このナンバーがアルバム全体の後味を確かなものにしています。







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最終更新日  Feb 9, 2011 05:54:23 AM
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