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カテゴリ:その他の山形の温泉
国道13号線を米沢方面に南下し、葡萄畑をもつこんもりとした山を横切ったとたん、広大な南陽市の盆地が眼下に広がります。かのイザベラ・バードがこの南陽を「アルカディア(桃源郷)」と呼びましたが、なるほど、うなずけますね。この景色は東北を代表する眺めのように思われます。
(つい停めて写真撮るのをおっくうがってしまって・・ここに写真がないと説得力ないですよね) 明るいひろやかな景色を眺めながらしばしドライブと思いきや、赤湯はまことにあっけなく到着してしまいました。 ただ本日は年に一度の「ふるさと祭り」で主要な道が通行止めで迂回路が細い道だったりして、旅館を探すのに、やや難儀しました。 「丹泉ホテル」・・ちょっと聞きなれず、ともするとどこかのビジネスホテルかと思ってしまう向きもあるでしょうが、実はこの名前は、明治31年に宴会場付の大改築をしたときに、町から赤湯温泉の別名である「丹泉」を賜ったということで、いわば「ザ・赤湯旅館」という意味なんですね。 私は基本的にこれまで赤湯のようなマチナカの温泉を好んでいなかっのですが、最近山中深くだと災害による交通途絶などを心配しなければならず、こういうどこからでも行ける・帰れる場所を選らんでしまうのです。 楽天トラベルで一人利用という条件で選んだ宿。クチコミでも、ときおりひどい評価に出会うものの、おおむね接客、料理などに高評価でした。 余談ですが、一生懸命やっている宿にクレームに近い口コミを投稿する人、ちょっと心根がさびしいなあ・・と思ってしまいます。 旅にきたときくらいあちこちのあら捜しをするより、いい点に目を向けて楽しめばいいのに・・。 さて、丹泉ホテルの話です。この施設、だいたい高度成長時代あたりの建築とみました。 建物だけを外からみると、ちょっと冴えない感じがするかもしれません。 玄関をくぐった瞬間、ロビーや廊下、とくに館内のサインなどに昭和の香りがぷんぷん。掃除は、行き届いています。 私はこの昭和の香り、好きなほうです。 このホテルのいいところは、全体におおらかな造りであること。 空間の使い方が今風でなく贅沢で、玄関から部屋までの距離もやたら長く、襖なども標準より大きく感じます。 私一人にベランダ付の10畳間は申し訳ないくらいのゆとりでした。4階の部屋からは南陽市の2階建ての屋根がどこまでもつながり、遠くには何層にも重なりあう山々が見渡されました。 風呂にはけっこう趣向があり、男湯は瀬美温泉の喜至楼のような丸型浴槽を持つ「浪漫風呂」。 露天風呂は庭園に面し、「玄武」と名づけられています。 内風呂も露天も、どことなくしっくりと落ち着けます。 この「どことなくしっくり」が、なかなか微妙なもので、どこがどうというのではないのです。そうそう、内風呂は窓がサンルームのように天井まで届き、明るくて気持ちがいいです。 湯は無色透明、無臭ですが、シャワーに使われている湯は明らかに硫黄臭があります。 入浴後のほっぺの保湿感はなかなかよく、良い泉質であることがうかがわれます。 ・・続く。 赤湯温泉 丹泉ホテル お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Sep 22, 2012 12:45:35 PM
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