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カテゴリ:遠刈田・鎌先・小原温泉(宮城)
4月下旬、いつものように突然遠刈田温泉三治郎で休憩中思い立って、鎌先温泉で一泊して来たのを今思い出したので、書き止めておきます。
あたかもコロナの脅威が最高潮に達していた時のこと。家族にはこういう時はかえって空いてて安全なんだ!と言い張って出て来ました。 鎌先は遠刈田からもそう遠くなく、仙台からもお手軽なコースなのですが、非常に心地よい高原の空気を味わえるのでいつ来てもいい感じ。 道路から集落に入っていく感じも好きなんだなあ、これが(写真の一枚もご紹介すべきですが)。
前にも書いたかもしれませんが、私はこの鎌崎温泉という地に、特別の思い出があります。 私が浪人してすぐ自動車免許をとって、バイトをして車を買って・・ダイハツのタフトという1000cc6人乗りのジープタイプです。今思うと先見の明があったのかも(笑)・・東北をあてもなく放浪していたときのことです。家も近くなってきたけど、なんとなく帰りたくない・・もう一泊していくか、と思い、鎌先温泉を目指しました。 そのころの白石からの道はダートの連続でした。 私は小さな鳥居をみつけたので、それを目印にして、立ち〇〇しました。 今思い起こすと、なんという狼藉でしょうか。 フンフンと鼻歌を鳴らしながら、(そのころはカセットステレオからザ・バンドなんか鳴らしていたと思います。今聴いてもまったく古臭くなく魅力があるのですが) 難なく快適に温泉の駐車場に到着しました。 ところが「ここが鎌先かあ~」と降りて空気を吸おうとした刹那、「ぷっしゅうううううう~」という音がしました。 左後輪が目に見えて空気が抜けていきます。 目の前でぺしゃんこになってしまったのです。 私は「なるほど、神様っていらっしゃるものだな~」と独りごちました。 怒ってガケから落とされても文句を言えないところ、本当にありがたいと、神様の仏心に(?)心服したのでありました。 私にはこういう変な体験が6回はあります。 今回の宿泊はすゞきや旅館。鎌先といえば湯本一條さんがなんといっても存在感が大きいですが、ここすゞきやさんは確かに外観はオーソドックスながら、朝夕部屋出しの美味しい料理がなかなか評判なのです。
ロビーから見る日本庭園は小ぶりですが品が良く、なかなか見事です。 部屋は一人用ということでまあ最小限でしたが、小ぎれいにしています。 外に出てみるとこの旅館は案外大きくて、ちょっと古い建物も接続しています。 私の部屋はどこかなーと探索すると、いわゆる新館にあたることがわかりました。 ここでホッとする自分がいじましい。玄関のすぐ上あたりでした。 窓際の椅子でボーッとする幸せ。山容をみると半分は広葉樹なので紅葉の季節はさぞ美景だろうなと思います。 もっとも、いま目の前の桜をめでるべきですが。 私を入れて4組くらいか、宿を開けていただいていて、ずいぶん申し訳ない感じがします。 風呂は内風呂が金色のタイルの浴槽でちと変わっております。 いぜん私のブログで、日帰り入浴したとき「金歯の口の中にいるような・・」と口の悪いことを書いてしまいましたが・・この黄金風呂にも若いころ感じた違和感がどうも沸いてきません。 趣味が変わったか。 そういえば、こないだドライブをしているとき、前を走っているベンツをみてこれ結構いいかもと思ってしまいました。
今に、豪農のような、入母屋造の、瓦のぎらぎらした、中に入ると虎と竜が対峙している置物があるような家を建てたいと思うようになるのではと、身震いしました。 いや、その一歩手前かも。 夕食は、写真のとおり、一人旅でも部屋にこれだけのものを運んでくれます。 手間がかかってます美味いです。一人には、ちょっと豪華すぎます。もとをとろうと(どんなもとだ)、懸命に写真を撮る自分がいじましい・・。
朝食も、下の写真のとおり、大満足! なんだかもう一泊したくなっちまったなあ~(これも私の個癖。)と調べてみたら、日曜から月曜にかけての宿泊なのにネットに空室がありません。 どうしたものか女将さんに聞いてみたら、「明日から、この温泉街は一斉に休業するんです・・」と、いかにも寂しそうな様子。私もなんだか寂しい気持ちになって、茶わんやらお箸ならのお土産を少し余計に買いました。 「再開したらまた、泊まりにきますね」というと、おかみさんは車が出るまで見送ってくれました。 今は、もう通常どおり営業しています。 まだ、約束を果たしていません。 すゞきやさんは、一つ一つ見ると傑出したところはないのですが、総合でみると旅館としてずいぶんとよくまとまっていて、質の良さを感じさせます。帰る頃に、高い満足度を得られる宿だと思います。 4月に泊まったのに、ずいぶんと遅い書き込みになってしまいました。
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最終更新日
Sep 13, 2020 01:14:17 AM
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