いまさらDVDシリーズ「007カジノロワイヤル」
とても今更ながらですが、007シリーズを見直しています。アストンマーチンをいろいろ調べているうちに動画をじっくり見たくなってDVDを買い始めたのが運のつき。カジノ・ロワイヤル、こんなに傑作だったとは不覚、知りませんでした。旬のときにそっぽを向く悪い癖で、損ばかりしています。このカジノーは、ジェームス・ボンドがまだ00コードに昇格したころという設定なんですね。ヤング島耕作ならぬヤング・ボンドであります。それにしてはダニエル・クレイグ、老け顔です。このまま45歳くらいまでのボンドをいちどきにリメイクしてしまえるかも。ただ、このリメイクは、若いボンドを描いてはいますが、舞台はあくまで現代なのです。ご丁寧に、ボンドの上司「M」に”Christ,I miss the Cold War.”とまで言わせています。実に通俗的ですが、007といえば楽しみなのが車と美女ですね。この型のアストンマーチンDBS、発表したての頃はえーっ何コレ?と思いましたが、今見ると非常にセクシーです。欲しいです。ムリです。生活が破綻します。しかしこの映画では、まだ最新鋭DBSの魅力を十分伝えているとはとうていいいがたい。なにしろ敵を追いかけた矢庭に、路上にころがされたボンドガールをよけようとして路肩で横転ですから・・。もうすこし見せ場がほしかった。欲求不満です。もっともその不満は、次回の「慰めの報酬」で存分に解消されますが。一方のボンドガールはいかがでしょう。今回の作戦に際し予算の制約をすべく英国財務省からのキャリアガールというシーチュエーションですが、ちょっとお話にムリがないわけではないですね。スパイの訓練を受けたことがない、しかも中枢の職員をこんな危険な場に出すはずがないのです。彼女、素材は品があって美しいですが、アイシャドーが強すぎでちょっとラウドであります。年増ごのみの私は上司の「M」(ジュディ・ディンチ)をが好きだったりします(爆)。圧巻のアクションシーンは3回。付録のメイキングビデオを見ましたが、どれも気の遠くなるほどの準備検討と時間、コストがかけられているもので、私はとても批判めいたことを言う気にはなりませんね。ツカミの追跡・格闘シーンはやや長すぎという批判もあるでしょう。しかし、セバスチャン・フォーカンのパルクール(障害物を乗り越えながら進む芸術)は実に素晴らしい見物でした。印象に残るシーンは、やはりボンドに自宅に侵入されたMがボンドを諭すシーン。"Bond,this may be too much for a blunt instrument to underatand,but arrogance and self-awareness seldom go hand in hand."(感受性の鈍い人間にはわからないかもしれないけど、傲慢さと気づきは違うのよ)う~ん、上司の慈愛を感じますねえ。全体として、これは掛けた労力、コストにアウトカムが見合った快作だと思います。007の旧来のファンで違和感を唱える方もいらっしゃるでしょうが、ロックでいえばかつて「In Rock」や「Machine Head」で一世を風靡したディープ・パープル第2期のコアなファンが、ブルースを取り入れた第3期の音楽を「パープルじゃない」と否定したようなことかもしれません。長い例えでした。その気持ちはわかるのですね。私もかつてはそうでした(笑)。これからこの映画、英語の字幕にして何度も見直そうと思っています。★★★★☆【ポイント10倍】007 カジノ・ロワイヤル デラックス・コレクターズ・エディションダニエル・ク...価格:1,980円(税込、送料別)