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社長室 業務日誌

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2004/06/29
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カテゴリ:カテゴリ未分類
NHK「その時歴史が動いた」
大江戸発至急便 黒船あらわる ~幕末日本の情報ネットワーク~ を視聴。

http://www.nhk.or.jp/sonotoki/sonotoki_syokai.html#04

黒船来航は、北は八戸、南は薩摩まで一気に日本中に知れ渡った。
その所要時間は約2週間。具体的には飛脚がチャネルだった。
当時の情報流通の実情からは、この情報流通の速度は説明がつかない。
一体、何が起こっていたのだろうか、という内容。

約1年も前に黒船来航の情報は長崎から入っていたらしい。
長崎の外国人の噂話をとりまとめ、幕府に報告する仕組があったらしい。
しかし、このとき、情報を掴んだのは、幕府と薩摩藩。
薩摩藩は沖縄経由での中国交易が経済力の源だったので、
諸外国の動向をつかみたかった。
よって、長崎のこの担当者を買収し、情報入手していた。

同じ情報を入手したが、
幕府では、対策が講じられなかった。
薩摩では、黒船来航を想定して事が運ばれた。

一方、幕府では、時の老中首座 阿部正弘 が、
情報入手しても動けない幕府を憂いていた。
彼は、27歳で老中に抜擢されたホープで、
改革失敗で失脚した水野忠邦の後を襲う形で、34歳で首座に据えられた逸材であった。

逸材であったからこそ、動けない幕府を必要以上に憂いたかもしれない。
若かった、ということも作用したかもしれない。

阿部のとった行動は、幕府内の黒船に関する情報を諸大名に開示することだった。
それまでの幕府政治からは正反対の施策だった。
・情報を開示・共有し、同じ日本人として仲間を募る形
・「政治家の代わりは全国にいる」とのメッセージにより、
幕府内の危機感を煽り、行動を促す目的
・世論に反した「開国」を既に想定し、コンセンサス獲得を得る目的

この結果、薩摩に続いて「行動する」藩が多く出てきた。
しかしながら、一方ではこの情報開示がなされたにも関わらず、
反応できなかった、動けなかった大名はたくさんいる。

阿部はその後、40代を迎えず病死している。

この阿部の施策が、幕末の引き金だったともいえる。
また、先行して動けた薩摩がその後の政争で活躍の場を得た。

薩摩の台頭は、この阿部の施策より数歩も前を歩き、
薩摩が自主的に情報収集し、自前の情報ネットワークを築き、
来るべきときに備えて準備していた、ということが大きいのではないか。

その後の歴史の動いた結果は、皆の知る所である。

―――――――――――――――――――

実際に薩摩はじめ情報に敏感だった藩は、
どんな情報を、誰から、どのようにして収集していたのだろうか? 

・黒船が実際にはどんな形か
・黒船と幕府はどんな話をしていたか
・幕府は次にどんなカードを切るか
・次にアメリカはいつ来るか
・諸大名はどう動いているか
・諸大名のニュースへの反応度

発信元(情報の売手)は、
川越の名主 鈴木久兵衛、
江戸の呉服屋(?) 藤岡屋
などの庶民であった。

情報の買手は、諸大名や豪商。

当時、CNNや新聞社のような情報ビジネスはなく、
全く情報と関係ない人々が、情報の売手にならざるを得なかった。

とはいえ、一般人から情報が溢れ出て、流通する・・・。

なんだか、一見、blogみたいな(?)情報流通だなあと思ったが・・・、
どこが似ていて、どこが違うかはちゃんと考えないと。

―――――――――――――――――――――――――

(事実)

(1)情報が知れ渡った結果、
   人間が自ら先を読み、行動することができた。

(2)一方で、自分にとって、本当に気になる範囲の情報でなければ、
   いくら情報入手しても行動には結びつかなかった

(3)情報を有償で払っても欲しい、と考えるのは、
   やはり「儲けたい」「うまく立ち回りたい」
   という欲求が強い者だけだった


(仮説)

(一)情報入手の先に、「行動」が伴っているとき、
   その「行動」が強いものであれば、あるほど、
   人間はその情報入手に強い意欲を持つ。

(二)「自分の力で、この情報は入手している」
   と思ったとき、人間はその情報を全く信じて疑わない。
   行動することを厭わない。躊躇しない。

(二)インターネット等のテクノロジーの発達により、
   情報の発信元が多様化しても、
   情報に対するコスト総額(市場規模)と支払う側の顔は、
   全く変わらない。


(To Do)

⇒ 「この情報は私だけ★」と思わせること

⇒ アンテナが立ってる奴を狙い撃ちすること

⇒ 「情報入手 = 賢い・幸せへの近道」といったファッションをつくること
  (=アンテナを立てさせること)

⇒ この情報の顧客は誰か? 費用対効果はいくらか? 
  必ず「行動」と「利益」が伴っている。
  それを見極める。

以上





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Last updated  2004/07/18 06:42:20 PM
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