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カテゴリ:働く/働かせるということ
ほりえもんが世の中を騒がせている。 色々な言動があったが、僕に、ズドンときたセリフがあった。 「子会社の人は、親会社が代わるだけでしょ。生活に何の影響もない」 と、ほりえもんが言ったらしい。 ほんとに、そう思ってるのかなあ? ―――――――――― 一連の騒動は、 「働く/働かせる」の観点から見ると、とても簡単に判断できるよね。 資本的上位のものが、人を働かせるのではない。 30%持ったって、51%持ったって、 100%持ったって、関係ない。 理由は簡単。人の心は支配できないからだ。 「この人の下で働きたい」 「この人と一緒に働きたい」 僕達、労働者には、この思いが持てるか。 この思いを持たせられるか。 これ、結構、大きい。 「僕は、あなたと一緒に働くに値します」 これを証明することが、先決だ。 空海もそうしていた。 その後に、上下関係をすりこんでいく。 この順番を間違うと、二度と回復は不可能だ。 ほりえもん、わかった上で、やってるんだよね・・・。 でも、もしかしたら、焦っているのかもしれないなあ。。。 ――――――――――― 世の中のM&Aのほとんどが失敗しているという。 失敗の内容を具体的に表現すると、 「期待したパフォーマンスが出なかった」 「高すぎた」 ということだ。 以下、家族に例える。 子供の結果は、ほとんど子供=子会社(引き取られた側)のせいにされる。 しかし、それは違う。 失敗の原因は常に、親にある。 愛情が足らないからだ。 いや、それ以前に、相手に思いを馳せる、その心がないからだ。 ある日、突然、パパが違う人になるなんて・・・! その子の、不安の大きさ、わかるでしょ? ある日、突然、パパが違う人になるなんて・・・! なんという運命のいたずら・・・! まず、その子が背負った運命の波のうねりの大きさに、 共に心を傷めてあげたらどう? もし、その子が、反抗したとしても・・・。 その気持ち、わかるよね? 恐いのよ。 新しいパパが恐いんじゃなくて、自分の運命が恐いの。 自分の運命を呪っているの。不安でたまらないの。 僕はこの先、どうなっちゃうんだろうって取り乱してるの。 そんなその子を、優しく抱きしめてあげて。 話を聞いてあげて。何も言わなくていい。 その子もわかっている。 自分の人生は、自分でやっていかなきゃならないことくらい。 前のパパは去り、新しいパパが目の前にいる、 この現実を受け入れなければならないくらい。 親に売られた、捨てられた、子供の気持ち。 育ててきた子供を、手放さなきゃならない、親の気持ち。 悲しい、悔しい、憤り、 その心の動き、葛藤、覚悟、決意。 しかし、それでもなお心に残る未来への希望・夢。 それらに対し、いたわりすぎる・気を遣い 「すぎる」 なんてない。 気遣って、気遣って、 共に心を痛めて、痛めて、 悩んで、悩んで、 待って、待って。 それでもなお・・・、きっと足らないだろう。 理解することなどできないだろう、相手の気持ち。 それでもなお、さらに気遣え。 そんな・・・、人の心・感情に触れなくて、何がM&Aか。 米国って、もっと簡単に、ポンポンやっちゃうのかなあ。 信じられないな。 ―――――――――― M&Aの本質は、 ・従業員が一気に増える ・株主が一気に増える ・お取引先が一気に増える ・しかも彼らは、今まで全く異なる文化・時間の下で生きていた =とにかく、「全く別世界にいた大勢が、急に関与する」 といっても過言ではない。 自分が何年も雇い続けた仲間でさえ、 心を自由にコントロールできないというのに・・・。 M&Aを手掛ける経営者には、 通常の会社経営よりも高度なレベルの繊細さ、 人の心の動きへの理解度が求められる。 その上で! 衝突があるとわかりつつも、 従業員や、悪しき慣習や、古い文化に対し、 ドライに対峙すべきだ。 ほりえもんは、わざと、目に入らない、わかってないふりをして、 いやらしく言ってるのかな・・・。 ―――――――――― フジテレビは連結ベースで従業員3,225人である。 3,225人の会社にはね、 3,225の尊重すべき物語がある。 3,225名それぞれが、守るべき人・家庭・生活を持ってる。 もしかしたら、小さな夢だってあるかもしれないね。 3,225の。 いや、平均1.5人くらい家族を持っているとしたら、 約4,838の物語があるということだね。 それにプラスね、 株主が1,000人なら、やっぱり、1,000の物語がある。 フジテレビの株主数は99,048人だから、 まあ、ざっくり10万くらいの物語が存在しているってことだね。 経営者っていうのは、それを全部!! 背負うのが経営者ではないか。 いや、背負わなくてもいいかな。 そういうのがあるんだってことだけ、知っていればいい。 知った上で、わかった上で、斬っていくのだ。 刀で斬った側も、激しく痛いものだ。 強い者は、弱い者の分まで、背負って進まねばならない。 能力のない人だって、本当はできたいのよ。 だから、能力のある人は、その人の分まで社会に貢献すべきなの。 勝者は、敗者の分まで、勝ち進まねばならない。 なぜって、次に、サックリ負けちゃったりしたら、敗者に申し訳ないでしょ? ーーーーーーーーーーーーーーー A君の才能は、 本当はB君が持って生まれる予定だったかもしんない。 でも、たまたま! A君が持って生まれただけ。 A君が、B君を見下す道理は全くないのよ。 B君はひねくれたり、スネたりする必要がない。 自分のできる限りの力で、役割を発揮すればいいだけなの。 Noblesse Obiligeですよ。 ほりえもんは、きっと、そんなこと、わかってるよね・・・。 わかった上で、いろいろと、言ってるんだよね・・・。 ―――――――――― その一つ一つを、守れとは言わない。 新たな世界を切り拓くにあたり、 一旦、何かを傷つけることもあるだろう。 しかし・・・!!!! 傷つける代わりに、 新しい希望があることを説明しきらないといけない。 皆を動揺させちゃいけないし、 仮に皆が動揺しちゃっても、落ち着かせないといけない。 人の数だけ、同じ数の物語があること。 同じ数の喜び・同じ数の悲しみが生まれること。 これに、常に思いを馳せなきゃならない。 それができないなら、M&Aをやる資格ないんと違うか。 経営者っていうか、 リーダーを、やったらあかんのと違うか。 ―――――――――― 僕は、 テーブルの向こうにいる人の 怒り・恐れ・震え・欲望・夢・エネルギー・・・ いろんな感情、物語を直視しよう、 と思う。 僕が聞かなきゃ、誰が聞くというのか。 と思うからだ。 以上 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010/02/02 05:53:08 PM
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