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昔、ある案件で、交渉に携わった。 A社と、B社、2社を同時に相手した。 ――――――――――――― A社の交渉担当者は、メチャメチャ頭の回転がよく、 切れ味もバツグン。 論旨明快、声も高らかにキッチリ主張してくる。 正直、この人はスゴイ・・・と脱帽する人だった。 でも、僕は、その人と、二度と仕事したくないと思った。 僕は、できる人になっても、あんな風にはなりたくないと思った。 僕以外のメンバーも、そう思っていたらしい。 自分のことしか、考えてくれなかったからだ。 この人は、自分の企業を守りたい一心だったんだろう。 会社を代表して、出てきているのだから、当然だと思う。 でも、僕達だって、譲れない部分がある。 日本有数の企業だけど、 あまり人気がなくて、味方が少ないイメージの企業。 でも、ホントに実力ある人が多いことで有名で、 その交渉担当者も、実力があった。 なんだか、交渉自体を楽しんでいる雰囲気があった。 ディベートという、知的な格闘技を楽しんでいる様子だった。 この人は、味方にしたら、頼もしいのかもなあ・・・と 一瞬、思った。 けど、やっぱり、 「この次は、この人達と一緒にやりたくない」 と思った。 また、こんな風に自分のことばかり主張されるのは、 イヤだったからだ。 実際、その後のco-workは一切、ない。 ――――――――――――― 同時に、相手方としてもう1社、B社がいた。 こっちは、結構、甘アマだった。 会社としても、ノホホンとしていて、 いいやつが多い会社、そんなイメージ。 でも、担当者はシッカリした人だった。 反論はするが、その論拠もしっかりしていた。 自分のことばかり主張しなかった。 もつれた糸を、ほぐすには、どうしたらいいか。 そんな中立的な視野からの意見を、何度も出してくれていた。 結果的に、条件交渉は、このB社は割を食うことになった。 A社が、結構、持っていっちゃったからだ。 でも、僕達は、そのB社をすごく尊敬した。 紳士だと思った。 中立的な視野で物事を捉えること。 このディールを成立させる=関係者全員が幸せになる、 その意識を持っている人だったからだ。 この次も、このB社とはビジネスしたいと思った。 そして、いまでも、B社とは多くのビジネスをしている。 ――――――――――――― A社、B社、どっちが勝ちだろうか? A社、B社、どっちが幸せだろうか? ――――――――――――― 僕達は、どんな交渉をすべきだろうか? 交渉で何を勝ち得るべきだろうか? 以下のように、と言い切ってしまってもいい、と僕は思う。 「この次も、この人達と仕事をしたい」 と思わせるためだと。 相手に、 僕達の実力・思想・スタンス・生き様・男気・優しさ、 そういった”僕達”を認めさせることだと。 こんなに”僕達”を見せつけられる、いい機会はない。 交渉という機会をおいて、他にない。 ヒザを突き合わせて、何時間も、何日も、 お互いのことだけを考える時間。 恋が芽生えやすい環境に似ている。 だからこそ、かもしれないが、 僕達に”惚れさせる”ための機会、としか思えない。 ――――――――――――― お互いに譲れない部分が重なったとき、こそがポイントだ。 そして、その溝が大きければ、大きいときほど、そうだ。 相手に、最大限、譲歩すれば、それでいいのではない。 譲歩の量、それ自体に本質があるのではない。 譲歩の仕方に、本質がある。 甘やかせば、いいというのではない。 それでは、「敬意」が生まれない。 相手に譲ればいい、ということでもない。 自分が損ばかりしたら、この幸せは続かない。 2人が幸せにならないと、続かないのだ。 だから、2人ともが同じ程度、幸せになる必要がある。 もしくは、同じ程度の痛みを分かち合う必要がある。 じゃないと、続かないのだ。 ――――――――――――― どうやって、目の前にある、この2人の溝を埋めていくのか。 そのときにこそ、相手の本質、生き様が透けて見える。 こいつは、今まで、こんな風に仕事をしてきたんだな、って、 そいつの歴史・生き様が透けて見える。 ・こっちは譲らなくて、相手に完全に譲歩させるか。 ・単純に、エイヤで線を引いて、落とし所を見つけるか。 ・問題を切り分けて、細分化し、 さらにお互いに譲り合える部分をみいだしていくか。 ・ギリギリ詰めるか。一緒に考えるか。 ・横からダメなら、上から攻めるか。 もう、何日も、何時間も交渉している。 正直、ノイローゼになりそうになる。 そんなとき、人は、感情を露にさらけ出しやすくなる。 にもかかわらず、 真剣に相手の幸せも考えつづけられる人もいる。 僕達は、そうでなければ、ならない。 相手が、できなければ、できないほど。 その分も埋め合わせるほど、 相手のことを慮ってやらなければならない。 ――――――――――――― 「この人達は、本当にビジネスマンだ。甘くない」 「かといって、自分のことばかり主張しない。 両社、お互いが幸せになるために、 真剣に脳みそを絞ってくれている」 「この人達と、やる限り。私達も幸せになれる」 「何が起こっても、この人達となら、解決できないことはない」 「何が起こっても、この人達と対話を継続しよう」 ―――――――――――― そう思われたい。 そんな風に思ってもらえたら、 相手は、きっと、永続的なビジネスパートナーとなってくれる。 そう思ってもらえた真剣な交渉の場の数だけ、 たくさんのハードな交渉の数だけ、 僕達が、何か、本当に大きな仕事をするとき。 きっと、味方になってくれる人、企業の数になるんだろう。 その味方の数こそが、幸せのバロメータなのかもしれない。 その数こそが、本当の企業価値、なのかもしれない。 以上 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/03/25 01:53:24 AM
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